■痴漢をされた話

テストが終わった後、人があんまり乗っていない電車の端っこにあるBOX席？に座っていたら斜め前に新聞を持ったおじさんが座った。

畳まないでBOXに広げきって読むので邪魔だなーと思っていたが実害がある訳では無いので黙っていたのだけど

段々腕が疲れてきたのか、新聞とおじさんの手が時々電車の揺れに合わせて当たるようになってきた。

この段階では痴漢とは気付かず、うっとおしいなー邪魔だなーと思っているぐらいだった。

そうしたら、新聞から手を離し、完全に私の太股に手をのせて来た。

この段階でやっと痴漢だと気付いた。

最初は怖くて何もいえなかった。怖すぎて頭が真っ白になった。助けを呼ぼうにも傍には他に誰も座っていなかった。

でもそうしているうちに新聞の下でおじさんの手がどんどん太股から上にあがってきて、下着まで来そうになった時が我慢の限界だった。

「やめてください」って一言だけ言って他の席に移ろうとしたら、おじさんが「おいおい、いきなり人を痴漢扱いしておいてどこいくつもりだ」と私の手を掴んで大声で怒鳴ってきた。

何で怒られてるのか分からなくて、一瞬本当に思考回路が止まった。

私もおじさんも立ち上がっていたので、遠くに座っている人たちがこっちを見ている事も分かった。

「最近の女子高生は怖いよなーこういう風に冤罪を増やして金をタカろうとしてくる」こんなような事をずっと言っていた。

やっと何を言われているのか理解できた時、反射的に「新聞に隠れて私の足を触っていたじゃないですか」と言い返してしまった。

そうしたら余計に怒ってしまって、「こういう風にサラリーマンを陥れるのは楽しいか？」とか私がしてもいない事をどんどんいっぱい言われた。

席から離れられない、逃げられない、目の前では私を痴漢した人が怒鳴っている。

もう本当に怖くて泣きながら「誰か助けてください、本当にこの人に痴漢されたんです」と周りの人に呼びかけた。

結果的には誰も助けてくれなかった。ドアの近くにいた男の人は迷惑そうに他の車両に移っていったし、比較的一番近くに居たお年寄りは「私は見てないしねぇ」と困った顔をしていた。

そうしたらおじさんはもっとヒートアップして、私の服を掴んで「ほらみろ名誉毀損として訴えるぞ」とか怒鳴ってきた。

何をどうすれば良いのか、何を言えばいいのか分からないし、この事態を好転させる方法なんかすぐ思いつかなかった。

停車してドアが開いた瞬間、何も考えずにおじさんを突き飛ばして逃げた。

後ろで「人に痴漢冤罪ふっかけておいて失敗したから逃げんのか」っと怒鳴ってるのが聞こえた。

でもあの場から逃げられた安心感でいっぱいで、その時はもうどうでも良かった。

次の日は電車に乗るのが怖くて、学校を休んでしまった。毎朝怖くなってしばらく学校を休み続けた。

そのうち、親友がお見舞いに来たのだけど、体調不良では無いのはすぐバレて電車に乗れないっていう事と理由を打ち明けた。

数日後には祖父が送り迎えしてくれる事になったので久しぶりに学校に行った。今では行かなきゃ良かったと後悔しているけど、何もかもが一変していた。

親友以外には痴漢された話をしていないのに何故か「自分が痴漢されるほど可愛いって言いたいらしいよ」という女子からの中傷を受けたし、あの日他の生徒が別車両にいたらしくて「私がお金をたかるために痴漢をでっちあげした」という噂もたった。

そこから派生していろんな理由をつけて面識の無い生徒にまで絡まれたりするようになった。

周りにはいじめてくる人か、無関心な人しかいなくなった。

私が痴漢に遭ったのがいけなかったのか、1人で電車乗ったのがいけなかったのか、元々痴漢なんかされなくても私にいじめられる要素があったのかなんてもう何も分からない。

こうやって自分に酔ってるだけかもしれない。

でももう私は誰も信用出来ないし、性的なものが怖いし、生きてるのが辛いし。

最初からこういう風に訴えていれば良かったのかな。

過ぎ去ったことを考えても仕方が無いけど、あれからずっとこのことばかり考えてしまう。

でもそういう風にうじうじし続けるのもここに書いたあと終わりにしようと思う。

自分だってすぐ分かるようにどこかで書く勇気はなかったから、ここに自分の中の真実を残せて良かった。

Permalink | 記事への反応(16) | 15:06

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