2009-08-15

http://anond.hatelabo.jp/20090815020235

もともと宗教色が薄いように見えたのは、時代の影響もあると思う。戦争家族を失った人がマジョリティで、そういう生々しい記憶が残っていたから、別に宗教を云々する必要がなかった。靖国で頭を下げる心情は、自然なものだよ(僕も護国神社靖国神社にお参りすることそのものに抵抗はない)。

それに、戦争に行った人たちは心の傷をずっと抱えていて、靖国が今言っているようなことで自己正当化してないと生きてられないという老人も少なくなかった。これは、戦争を知らない世代としても十分に理解できて、必ずしも批判できない。

靖国の問題が自業自得なのは書いたけど、もう一つの問題が経営問題、つまりカネの話。遺族会も子・孫の世代に移ってきて、会員が減ってきた。今はまだいいけど、このままだと経営にかかわりかねないから、それなりの努力をするのが当たり前。

追悼施設反対を唱えるのは、そんなものが造られたら靖国の立場がなくなってしまうからで、生き残りのために必死になるのは当然なんだよね。歴史だのなんだのは、あまり関係がない話だね。

そこで救いの手を差し出したのが麻生案で、あれは将来の経営難も見越してたのだけど、その代りに靖国はあの保守イデオロギーを捨てなきゃならなくなるはず。金のためにイデオロギーを捨てるか、イデオロギーのためには武士は食わねど高楊枝を貫くか、そういうこと。このままでいくなら、イデオロギーを振り回して、信者を増やすしか道がない。だから、宗教としてエスカレートしていく。ネットを読んでる若い人たちは、ここのところに注意しなきゃダメだと思うよ。

靖国神社は、明治歴史的記念碑としてしか生き残る道がないと思う。むしろ、その方が自然。今の日本では、明治のころほど国家の統一性を維持するために気張る必要はなくなってて、靖国神社はそのための装置として役割を終えている。

だけど、これから自衛隊海外に出て戦死する自衛官も出ようかと言うのに、国家が何らかの形で追悼の気持ちを表す仕組みがないというのは問題。といって、靖国神社では政治的色合いが強すぎる。であるならば、追悼施設を作るべきだという結論に落ち着く。もし、そんな施設もつくれないような日本なら、情けない、冷たい国だと、僕は思う。

  • そこで救いの手を差し出したのが麻生案で、あれは将来の経営難も見越してたのだけど、その代りに靖国はあの保守イデオロギーを捨てなきゃならなくなるはず。金のためにイデオロギ...

  • だけど、これから自衛隊が海外に出て戦死する自衛官も出ようかと言うのに、国家が何らかの形で追悼の気持ちを表す仕組みがないというのは問題。といって、靖国神社では政治的色合...

    • いや今のところ建前上は自衛隊は交戦地域には行ってないことになってて戦死など発生するはずがないことになっているというのが現行政府の立場であってしかるに戦死者が出たらどう...

    • 今問題になってるのはあくまで過去の日本軍において戦死した人間の追悼施設の問題であって これからの死者の問題はもちろんそうではあるのだけど残念ながら全く考えられてないと...

      • 悼むとしても施設は別に要らないんじゃないかと。遺族に賠償して遺憾の意を述べて終わりじゃだめなんだろうか。自衛官が死んだ場合も殉職した警官と同様昇進させて遺族年金の多め...

        • たとえば日本政府の対米従属外交政策に反発するイスラムテロリストが日本人旅行者の首切りテロをした場合とか。 靖国批判にかこつけてさりげなく反米サヨ思想を披露するなって。

  • 以前、靖国神社について増田に書いたものを再掲する。手短にさっと書いたので誰が読んでもすぐ分かるはずだと思う。2009年8月15日に書いたものだ。 http://anond.hatelabo.jp/20090815013038 70年...

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