残念ながら、安全な食品というのは幻想であるということに気づかされたのは、大学1年生のときだった。
分子生物学かなにかの討論式の授業で、その日は癌の治療と予防についてセッションが行われた。
で、僕は治療についての発表をして(ちなみに癌は老化現象の一つで治らない病気という発表だった)もう一人が食物とがん予防についての発表をした。
そのときの教授の発言。
「まあぶっちゃけ体にいい食べ物なんておまじないみたいなものだけどね。
体にいいって言われているものは、いい部分の成分しか検出されないような分析しかしないから。
微生物が作り出すものだから、詳しく調べれば体に悪い物だって副産物としてたくさん検出されるはずなんだよね。
でもそんなの調べたら誰も買わなくなるから誰も調べない。
食品添加物だっておんなじだけど。」
なるほど、たしかにそうだ。
自然のものにせよ、人工のものにせよ、何のために成分分析をするかと言えば商品化するからであって、特に問題になるような物質以外を調べてみすみす商品化が遠のくようなことはする必要が無いわけで。
成分分析だって1項目いくらというような世界なわけで、全ての成分を検出というのもまた無理なわけで。
話は変わるが、同じ教授の授業で活性酸素の毒性についての講義があった。
で、この講義もちょっと面白くて覚えていたのだが、「酸素は元々毒であった」という話。
地球上に最初に出てきた生物は酸素を嫌う嫌気性微生物で、ほそぼそとした生活ぶりだった。
ところがミトコンドリアが出てきて、生物は酸素を利用して大きなエネルギーを使えるようになり、爆発的な進化が始まった。
つまり、生物は猛毒というリスクを承知で、莫大なエネルギーを利用できる酸素を利用する方を選んだわけだ。
そんなリスクを承知で酸素を利用することを選んでいるくらいなんだから、活性酸素位でガタガタ騒ぐなバカ、というのがその講義のまとめだった。
で、何が言いたいかというと、僕らの体は元々リスクを承知で色々取り入れるようなシステムになっているわけで、食べ物に関してもそれはまったく変わらない。
例えば、自然の食物こそ、自分の身を守るために色々な毒素が入っているわけだけど、逆に言えばそういうものも体内に取り入れることを前提として体はできている。
様々な栄養素、エネルギー源を利用するためには、多少のリスクが必要なことを体は知っている。
だからまあ安全な食というのは幻想なので、そればかり追っても意味が無いし、そんなことは自分の体が一番よく知っていますよという話。
■誤解されやすい書き方だったようなので加筆。
べつに食品検査などについて否定しているわけではなく、過激になっている「無農薬信仰」「農薬安全信仰」についての意見として書いた。
どちらもそこまでリスク差はないんじゃね?という意味で、「そればかり追っても意味が無い」と書いている。
そこら辺をきちんと書くべきでしたね。不愉快な思いをしたらすみません。
「体によい」(食品になんらかの状況改善機能を期待する)と「安全」(=リスクが少ない)は切り分けた方がいいような気がします。
大學出の与太郎が。 食品安全の現場の人たちの努力と、実験動物たちに詫びろ! 全力で詫びろ!
大学1年生のとき(略) 分子生物学かなにかの討論式の授業で、その日は癌の治療と予防について もし本当に分子生物学の講義だとしたら講義とテーマが離れすぎている。特に予防に...
http://anond.hatelabo.jp/20090802092701 いつもいつも思うのだが、食に関する話題になると、極端な話になる事が多い。 元増田に書いてある教授の言う事は正しいと私は認識しているのだが、で...
元増田に書いてある教授の言う事は正しいと私は認識しているのだが、では、いわゆる栄養素が良い部分の成分だとした場合、その良い部分に発癌性についてはどう考えているのだろう...
似た者同士キタコレwwwww
respect for this article... http://anond.hatelabo.jp/20090802092701 残念ながら、安全な国家というのは幻想であるということに気づかされたのは、大学1年生のときだった。 日本史かなにかの討論式の...
で、この講義もちょっと面白くて覚えていたのだが、「警察は元々軍隊であった」という話。 明治時代の実質的な警察は兵部省の管轄で、ほそぼそどころか昭和には大暴れ。 警察は...
で、この講義もちょっと面白くて覚えていたのだが、「警察は元々軍隊であった」という話。 あれ?西南戦争で日本陸軍は西郷軍に勝てなくて、恥をしのんで(って、言葉の使い方、...