今回の騒動で分かることは、「読者の期待を裏切ってはならない」ということだ。
おそらく多くの読者はヒロインが過去に男がいたなんて設定は、望んでいないだろうからこうなることは当然ではある。
ヒロインは男を作ってはならないのだ。(ハーレム系漫画の主人公は別としても)
では、「よつばと!」ではどうだろうか。
○恵那(三女)の場合
恵那は小学生なので、読者的には彼氏は勿論、男友達の存在も許されない。
しかし、第8話に恵那の友人というみうらという新キャラが登場する。
このみうらは短髪で、見た目からは男の子なのか女の子なのか断定はできない。
もし、このみうらが男の子ならば、恵那好きの読者は地獄に叩き落とされることになったはずだ。
しかし第21話にてみうらの性別は女だと判明し、恵那ファンは救われることになった。
このように、読者を不安にさせることにより、その後の読者の幸福感は増大されているのだ。
○風香(二女)の場合
風香は高校生なので、流石に男に興味が全くないというのは不自然である。
かといって、彼氏がいたりするというのも、読者にしてみれば面白くない。難しい所である。
風香は第25話にて失恋したが、これは読者の期待にとって一番いい落とし所だったと思う。
過去に告白されたことはあるが、それは断ったので彼氏がいたことはない、というのも読者の満足するところである。
○あさぎ(長女)の場合
あさぎは大学生で、ジャンボややんだの反応を見るに、すごい美人である。
これぐらいのレベルになると、彼氏がいても読者は許さざるを得ない。
第17話で、風香の口から彼氏がいるという情報がもたらされるも、
すぐさま「あれ?あの人はもう終わったっけ?」と取り消され、現在の彼氏の有無は明らかにされていない。
この際の一喜一憂するジャンボを笑ってしまうけれども、これは結局自分自身を笑っているのだ。
こうしてみると、作者は読者の反応を全部見越して、読者の満足度が最大限にしているように思う。
「読者」を全部「俺」に書き換えるとよくわかるな。