若者の離職率が高かったりニートが大量発生しているのはわがままな人間が増えたからではない。面接というシステムが機能不全に陥っているのである。
今現在日本で行われている就転職時の面接というのは「その求職者がその仕事ができるか否か」を測るものではない。そもそもほとんどの仕事というのはおよそ人間であれば誰にでもできるものであって、その人でないと絶対に不可能という仕事は弁護士や学者やスポーツ選手や芸術家などほんの一部でしかしかない。そうでなければ人事異動など成立するはずないのだから。
では面接の場で何が行われているのか。それは”価値観ぶつけ合いゲーム”である。企業はどんな業務に関わるどんな人間が欲しいのか情報を開かそうとせず求職者に意味不明な探偵ごっこを強いる。そして求職者は面接の場では「言ってはいけないこと」でがんじがらめに縛られる。ここで行われるのは憶測でしか情報を把握できない一方的な減点ゲームである。もちろん減点されるのは求職者だけで、雇用側が圧倒的に有利なのはいうまでもない。価値観ぶつけ合いゲームで得点する方法は雇用側の価値観の枠内に収まる答えを提示することである。そこにはもはや職に就くための話し合いは存在しない。求職側は何とかして雇用側の価値観に沿うような事実を吐き出すか、雇用側にとって耳ざわりの良い嘘をつくことしかできない。ここで問題になるのは求職側に嘘が認められていることである。この場で吐かれる嘘は単純に雇用側にとって心地よいだけで事実や本心ではないのだ。かくして嘘をついた者とつけなかった者の双方に雇用のギャップが生まれる。なおここでいう雇用のギャップは「こんなはすでは」と辞めることと「雇用すべきだった人が面接ゲームではじかれてしまう」ことの二つの意味がある。
そもそも就業形態自体が能力主義だ使い捨てだと高度経済成長時代からは変質化しているのに対し、面接のシステムだけ旧来通りなのが異常なのである。昔の日本で行われていたのは人を育てるための面接だったはずだ。でも今の企業は人を利用するだけで育てはしない。「こいつは何の役に立つんだ?」と雇用側が品定めするだけの面接を続けていては今後も不幸な人間関係が日々再生産されるだけだろう。
で、いちばん左のキミ、代案は?
雇用側が圧倒的に有利なのはいうまでもない。 というのはそうなんだけれど、 もちろん減点されるのは求職者だけで、 ではなく、求職者は雇用側を採点しよう。 ここで問題にな...
一応突っ込んどくがニートは昔からたくさんいたし、若者の離職率も高かった。失業者崩れのニートは不況で一時期増えてたけど。
id:ululunが面白い試みをしている。 何故匿名ダイアリーのエントリはDisられやすいのか - 煩悩是道場でsmashmedia河野氏の書いた増田を当てようとしているようだ。 (ちなみに私は河野氏で...