2006-10-21

昨日の朝の話

朝夕が寒くなってきて、昨日は目覚ましより早く目が覚めた。

布団からはい出し、身震いしつつ階段を下りた。

包丁の音がトントントンと聞こえる、いつもと同じ朝。

ただ一つ父親が私のことを「おにいちゃんっ!」と呼んでいた以外は。

「あっ、おはよう、おにいちゃんっ!」

固まった私を不思議そうに眺める父、政治家汚職を伝えるニュースの声、

そして何事もなかったのように平然とトントントンと包丁

私は状況が掴めなかった、というか完全に思考停止してしまった。

「ねぇー、どうしたのぉー、ねー、おにーちゃん?」

亭主関白を絵に描いたような人だ、冗談でもこんな事をするような父ではない。

あ、そうか、夢か、起きたつもりがまだ夢の中なんだ、そうかそうか。

夢にしてもなんてタチの悪い夢だ、やけにリアルだし。

「もぉー、おにいちゃんっ!だいじょうぶー?」

50も半ばを過ぎて髪も少し薄くなってきたおっさんが、純粋な目で私をのぞき込む、

????、意味がわからない。どう見ても夢ではないらしい。

冗談じゃない、何だその妹キャラは?

息子に対してならまだしも…まだしもなのか??まぁまだしもとしても、

こちとら女だ。ハタチ過ぎた娘に何が「おにいちゃんっ!」だ?

何だ元気っ子の象徴みたいな語尾の「っ!」は?

「もー、まだ寝ぼけてる??、おにいちゃんったら!」

まったくもって困り果ててしまい、助けを求めようと母親の方を見やる。

母親は何一つ変わった素振りもなくみそ汁をまぜながら、

「眠たいなら顔でも洗ってきなさい。」と…

えー!!普通ー!?もはやどこから突っ込んでいいのかすらわからない。

「う、、うん」

と、かろうじて言えた。落ち着こう。うん、少し取り乱し過ぎてた。

落ち着いて考えればたぶん何か理解できる、、はず、きっと。

とりあえず、このよくわからない状況から距離をおくため洗面所に向かった。

  • 数日前の朝の話 朝起きて、トイレに行こうとしたら洗面所にお姉ちゃんがいて、 私を見るなり、目を色を変えて、いきなり 「ねぇ、私のこと何て呼ぶ?何て呼んでる?!!」 って迫って.

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