はてなキーワード: 香西泰とは
その1 http://anond.hatelabo.jp/20081223235800
その2 http://anond.hatelabo.jp/20081224002406
(G-3面右上)
マネーが国境を超えて飛び回る中、主要国の中央銀行にとって欠かせないのは、情報の共有化だ。
金融危機が深まってから、白川がFRB議長のバーナンキやECB総裁のトリシェらと電話会議を開く機会も増えた。米大手証券のリーマン・ブラザーズの破綻前には、バーナンキから白川に状況報告の電話が入った。
ただ、白川には、情報の共有化と、世界の中央銀行が金融政策の決定で足並みをそろえる国際協調とは別次元の話という思いが強い。
10月の主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の直前、中央銀行のトップたちは連絡を取り合いながら協調利下げに踏み切った。日銀は、利下げはせず、欧米の利下げを「支持する」という発表にとどめた。
欧米の中央銀行から日銀に対し「協調行動に加わってほしい」という要請があったわけではない。日本の金利がすでに低いことや、今回は欧米中心の金融危機という判断からとみられるが、「彼らはひと息つきたいのだろう」と本音を推測した日銀幹部もいた。日本との金利差が縮むと、欧米の通貨が安くなり、欧米企業が輸出しやすい環境になるからだ。
欧米はその後も、利下げを繰り返した。日銀が10月末に利下げを決めると、市場には「日本もやっと欧米との協調に踏み切った」という見方が広がったが、白川は「世界的な不景気の中で、利下げの方向が一致しただけ」とそっけなかった。今月19日の利下げも、FRBの大幅な利下げのわずか2日後だったが、白川は「国際協調」という言葉を使っていない。
白川が「国際協調」「政策協調」という言葉を好まないのは、過去に苦い経験があるからだ。
日銀が1985年のプラザ合意以降、「国際協調」の名のもとに米国から圧力を受け、長期間の低金利を強いられた。これが土地や株価のバブルに結びつき、その後の深刻な不況につながった。
「政策協調は、大国が自己の利益を押しつける際の論理として使われることが多い」。白川は2000年、香西泰(現・政府税制調査会会長)との対談でこう語っている。
国益確保の「隠れみの」に協調を演出することは珍しくない。国際社会のリアリズムに比べ、日本の「協調歓迎論」はナイーブすぎないか。白川には、そんな気持があるようだ。■