はてなキーワード: 溶けゆく日本人とは
内容の当否は別にしてメールで抗議している人々の品格の無さに驚く。
20代
[性別] 男
[メッセージ]
センス無いわ。さっさと廃業したら?
この人が提示しているURLはおそらく、「痛いニュース」だろう。
しかし普段の「痛ニュー」は、モンスターペアレントやクレーマーなどを侮蔑すべきDQN行為と認定するような編集方針があると思う。
これは「痛いニュース」を見て、他人のDQNな行為に呆れるような人でも一歩違えば自分がDQNクレーマーになってしまうということを示しているのではないだろうか。
もう一つ。
J-CASTニュース : 読売記事で「会社員」ブログ炎上 「炎上して当然」発言が引き金
21世紀の今になってイソップ童話なみの教訓話が実話で見られるとは思わなかったが、それはともかく
この騒ぎで、「会社員」がブログに書いた過去の記事が次々に非難の対象になった。07年7月26日のブログ記事で、マクドナルドでドライブスルーの車が邪魔になって駐車場に入れないと店のスタッフを恫喝し、看板を何度も蹴り上げていたことが分かった。また、08年2月17日の記事では、自転車同士がぶつかりそうになり、高齢者男性が転んだにもかかわらず、そのまま逃げたことを告白していた。
「会社員」は、読売の記事で、「(自らのブログで)相手の名前や住所をさらしたこともある」とされていた。ところが、2ちゃんやまとめサイトに自分の個人情報がさらされた。すると、3月1日のブログ記事で、「私の発言がハンドというペナルティだとしても、個人情報をネット上にばら撒くのはルール違反です。レッドカードです」と訴えた。
この会社員は他人が行った不用意発言や不道徳な行為は「炎上して当然」だとしながら、自分が同じような理由で炎上した場合は大目に見てくれという。
こうした事例は今の日本社会の道徳意識が非常に端的に表れている例なんじゃないかと個人的に思っている。
産経新聞の企画「溶けゆく日本人」に出てくるようなワガママな人間を目にすれば誰だって気分が悪くなる。しかし、そういうワガママに不快感を抱く人が沢山いるのは間違いないのに、かといって日本社会のモラル全体が向上したという話は聞かない。
これを考える鍵が上に挙げたクレーマーや炎上ブログの例にあるように思える。
要するに他人の言動が自分にとって不快か否かだけが重要なのではないか。ミーイズムを憎悪するミーイズムとも言えるのかもしれない。「お前たちは私が不快にならないように振舞え」というふうに。
(個人的な経験から言っても、他人のモラルに厳しい人が自分にも厳しいモラリストだった試しがなかった)
また、少し前に「斉藤さん」平均視聴率15%超 「カッコイイ」10代支持という記事があった。
こうした茶の間の反響に、担当の西憲彦プロデューサーは「ティーンが見るとは思わなかった。日本人はまだまだ正義感が強いと思った」
などというが、これも実際に正義感が強いのかどうかはわからない。
単に自分の気に入らない人間を叩いてスッキリしているだけかもしれないからだ。
現実では「斉藤さん」みたいな存在を「せっかく秩序だった社会ができているのに、それを破壊するわがままなDQN」というふうに扱っているというのは、いかにもありそうだ。