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【2月3日 AFP】韓国の北朝鮮専門インターネット新聞「デーリーNK(Daily NK)」は2日、北朝鮮で、自由市場に対する当局の取り締まりを受けて、食糧不足に陥り自暴自棄になった人びとが、治安要員らを襲撃していると伝えた。
北朝鮮の現体制を強く批判するデーリーNKによると、北朝鮮では、前年11月に実施された通貨ウォンのデノミネーション(通貨呼称単位の変更)の影響で、食糧や物資がますます人びとに届かなくなっているという。
北朝鮮・咸鏡北道(North Hamkyung)の情報源が、デーリーNKに対し、「デノミで商人や住民が資産を失った。そのため、人びとは当局要員に対して復讐行為に出ている。どのように行動したところで、結局は死んでしまうのだからと、自暴自棄になっているのだ」と語ったという。
1日にも、平安南道(South Pyongan)Pyongsungの市場を警備中の治安要員らが、「多数の群衆」に襲撃されたという。
また、北朝鮮脱出住民(脱北者)グループによると、YanggangのHyesanでも、取り締まりを監視する治安要員と住民との間で衝突が起きた。脱北者の話によれば、衝突が激化するなか、住民の1人が治安要員から銃を奪って乱射し、治安要員1人が重体となったという。(c)AFP/Jun Kwanwoo
は、借金をしても、金利よりも大きい比率で通貨を切り下げていく事が可能であり、マイナス金利を実現できるという点にある。
基軸通貨としての地位が安泰であれば、極端な話、定期的に貨幣の桁数を減らすデノミを繰り返してマイナス金利の恩恵を受け続ける事が可能である。
秤量貨幣時代や兌換紙幣時代では、裏付けとなる貴金属の産出量が重要であったが、不換紙幣制度時代においては、貨幣は、それで手に入れられる消費財の生産と供給が重要である。日米関係とは、基軸通貨国であるアメリカが借金の取り立て役を担う代わりにマイナス金利を享受し、日本が工業生産と商業を一手に引き受けるドルポンプ役を勤める体制であった。
この体制において、日本側はアメリカも合理的な思考をしているという前提で関係を維持してきたのであるが、米ドルの下落において、拒否反応が出てしまった。米ドル資産を保有している人にとって、米ドルの切り下げは資産の減少であり、マイナス金利を受け取れるメリットよりも、海外旅行をした時に、米ドルの価値の下落を認識させられる事が我慢ならないという感情を優先するようになってしまったのである。
20年前に10ドルで済んだ支払いが、10年前は20ドルだった。今年は40ドルになっていて、きっと10年後には80ドルになっているだろうという時に、自国通貨の下落が、自尊心を傷付けるのである。
強いドルがmachismo的に解釈され、基軸通貨としての強さよりも、見た目である交換比率の強さ、すなわち米ドル高を望むようになってしまったのである。
庶民感情として、目に見えないマイナス金利の利益よりも、交換価値が下落していく事の方が、はるかに重大に思えるのであろう。特に、国内での物価が安定的である場合には、この印象は強くなる。
アメリカは、グローバリゼーションから続いたmachismo的米ドル強化策によって、クレジットクランチを起こし、その後始末として、莫大な財政出動を行っている。にもかかわらず、雇用は回復しないし、クレジットカードの未収率は8%から10%以上という高い比率で推移している。5%の口銭で商売をしているクレジットカード業者にとって、未収率が8%あるということは、5%の口銭全てを当てても、まだ3%の不足が出るということで、不足分と人件費が、丸ごと赤字に計上されていくという状態にある。資本を食い潰している状態であり、増資によって穴を埋めなければ破産ということになってもおかしくないのである。そして、カードの借金の支払いができない人がこれだけ居るわけで、この比率は増加傾向にあり、まだまだ底は深いという事になる。
財政支出の赤字は増税によって埋めなければならないが、失業者ばかりでは社会保障支出が増えるだけで、担税能力のある有業者が増えない限り、増税しても効果が無い。
この苦境を解決する手段として一番最初に思い浮かぶのは、昔に戻すという事だが、その為には、工業生産能力を集中する必要がある。グローバリゼーションで世界中にばら撒いた工業生産能力を破壊し、米ドルを基軸通貨にする事に協力してくれる新しいドルポンプ役の所に集約するという行為である。クリントン政権は中国にそれを期待していたようだが、見事に裏切られている。軍事的にやるという手段もあるし、投資と技術開発を行って革新を発生させて技術・生産能力的にやるという手段もある。しかし、たとえそれを実現したとしても、米ドルの価値の低下を容認しない限り、同じ事を繰り返すだけとなるだろう。
インフレによって貨幣価値を暴落させて借金を踏み倒すというのは、借り手と貸し手が同じ貨幣を使っている場合に成立する手段であり、外国為替市場がある状態では、インフレによって貨幣価値を暴落させても、通貨の交換レートが同じペースで暴落したならば補正されてしまう為に、外国から借りたお金はインフレによっても毀損されない。外国から借りたお金は、元本は返さなければならないが、金利は実質的に踏み倒せる。それが、金利と同じペースで貨幣価値を下げていく事であり、それを実現する為には、貨幣価値が低下していっても基軸通貨としての流通を強制してくれる協力的な国家の存在が必要になる。
通貨の下落の容認は、それ以外の全ての国家がデノミを実施したのと同じ状況を作りだす事になる。この場合、借金の額は増えるが、基軸通貨としての地位が磐石であれば貨幣の切り下げが可能であり、金利よりも高い比率で貨幣価値の切り下げが可能であれば、結果的に、マイナス金利の利益を得られるようになる。これ以上借金をしないようにし、可能な限り元本を返済していくという事も重要であるが、財政出動してしまった以上、ファイナンスは必要である。
日本の政治が混迷しているという認識があるようだが、日本の政治以上に混迷しているのが、アメリカが今後どうするつもりなのかという点である。グローバリゼーションの後始末を、どのようにつけるのかを示してくれないと、日本としては生暖かく見守るだけしかできないのである。