2022-12-17

貧窮問答歌一首 并短歌

貧窮問答歌一首 并短歌 山上憶良頓首謹上

風交り 雨降る夜の 雨交り 雪降る夜は すべもなく 寒くしあれば 堅塩を とりつづしろひ 糟湯酒 うちすすろひて しはぶかひ 鼻びしびしに しかとあらぬ ひげ掻き撫でて 我れをおきて 人はあらじと 誇ろへど 寒くしあれば 麻衾 引き被り 布肩衣 ありのことごと 着襲へども 寒き夜すらを 我れよりも 貧しき人の 父母は 飢ゑ凍ゆらむ 妻子どもは 乞ふ乞ふ泣くらむ この時は いかにしつつか 汝が世は渡る 天地は 広しといへど 我がためは 狭くやなりぬる 日月は 明しといへど 我がためは 照りやたまはぬ 人皆か 我のみやしかる わくらばに 人とはあるを 人並に 我れも作るを 綿もなき 布肩衣の 海松のごと わわけさがれる かかふのみ 肩にうち掛け 伏廬の 曲廬の内に 直土に 藁解き敷きて 父母は 枕の方に 妻子どもは 足の方に 囲み居て 憂へさまよひ かまどには 火気吹き立てず 甑には 蜘蛛の巣かきて 飯炊く ことも忘れて ぬえ鳥の のどよひ居るに いとのきて 短き物を 端切ると いへる がごとく しもと取る 里長が声は 寝屋処まで 来立ち呼ばひぬ かくばかり すべなきものか 世間の道


世間を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば

記事への反応 -
  • ふと短歌って面白いかもって調べてて、この短歌読んだら、目から汗が出た  あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る (あかねさす むらさきのいき し...

    • 貧窮問答歌一首 并短歌 山上憶良頓首謹上 風交り 雨降る夜の 雨交り 雪降る夜は すべもなく 寒くしあれば 堅塩を とりつづしろひ 糟湯酒 うちすすろひて しはぶかひ...

    • 縦書きの国に生まれて雨降りは物語だと存じています(飯田 和馬)

    • その歌の登場人物 額田王(歌の作者・美人で和歌がうまい) 大海人王子(額田王の元旦那・皇太子。) 天智天皇(大海人王子の兄。額田王の今カレ) そういう関係性があって、...

      • そ、そうなんだ…ありがとう…

      • へーそうなんか。 そうだとしても短歌を読んで感動できる知識のある増田も、歌の詠まれた時の物語をわかりやすく解説できる増田もすごいなぁ

      • へーそうなんか。 そうだとしても短歌を読んで感動できる知識のある増田も、歌の詠まれた時の物語をわかりやすく解説できる増田もすごいなぁ

      • 解説有り難う 回りの引きつった愛想笑いが時を越えて見えるようだ

    • この味が いいねと君が言ったけど 6月10日は時の記念日

      • グッタイミング と君が言ったから 6月10日は 時の記念日

    • 殺したい奴がいるのでしばらくは目標のある人生である  枡野浩一「ハッピーロンリーウォーリーソング」

    • 殺したい奴がいるのでしばらくは目標のある人生である  枡野浩一「ハッピーロンリーウォーリーソング」

    • 君の名はなんというかなホトトギス

    • ちんぽこが かゆいんだ かゆいんだけど 病院に いくほどではないんだよなあ みちお

    • 白鳥はかなしからずや 空の青海のあをにも染まずただよふ

    • 地下駅の エスカレーター のぼりつめ おはよう、ハニー (↑防犯カメラ) 斉藤斎藤

    • 勃たぬなら 切り落としてまえ おちんちん

    • ゆめのなかの母は若くてわたくしは炬燵の中の火星探検(穂村弘)

    • おすすめではないのですが、Utakataという短歌のサイトに時々投稿して、そこで詠まれたものも読んでいます。ぐっとくるものもあったりしますよ。

      • ありがとう。すごくくいいね 来世ではきれいな音の笛になるいくつも胸に穴があるから https://utakatanka.jp/tanka/37578

    • 気に入らないおエライさんの長寿祝いの席で、 主賓が花の散る様子に自らの余命を儚く思う歌を詠んだ後で、 「花よ散れ!散って陽を曇らせろ!!」と詠んだ歌 桜花ちりかひ曇れ 老...

    • かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを

      • 調べたけど、ダブルミーニングや韻を踏むとか、テクニックがどちゃくそ入ってて面白いね

        • きだまきし「『高学歴ギャグ』とかゆわれるけん、ほどほどにしとけー」

    • 中央線に揺られる少女のトラウマを バターのように溶かせ夕焼け

    • コアなファン 捨てても欲しい タイアップ

    • 増田なんだから「ひともをし ひともうらめし あじきなく よをおもうゆえに ものおもう身は」くらいいえればいいのにね

    • 甘い甘いデニッシュパンを死ぬ朝も丘にのぼってたべるのでしょう

    • 幻想が崩れてしまったかもしれない増田のために、その歌が出てくる作品を紹介する。 原作:大崎梢、コミカライズ:久世番子 「配達あかずきん」の中の「標野にて 君が袖振る」

      • 原作の短編集?もコミカライズも面白そうなので読んでみます、ありがとう

    • 問十二 夜空の青を微分せよ 街の明かりは無視してもよい

      • これはやっぱり印象に残るよな。ネット上で話題になって有名な詩になったという経緯もいい。 「問十ニ」が十二月を差すとしたら、今がこの詩の季節そのものかもしれないな。

    • 廃村を告げる活字に桃の皮ふれればにじみゆくばかり 来て/東直子

    • (現代短歌だったら)萩原慎一郎さん、穂村弘さん、木下龍也さんの短歌オススメです

    • コントラバス略してコンバス体格がオレよりもいいオレの楽器だ /「世界で一番すばらしい俺 」(工藤吉生) より

    • 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立 https://ogurasansou.jp.net/columns/hyakunin/2017/10/17/1314/ おそらく日本最古のスカッとジャパンエピソード

      • これぶっちゃけそういう事態も想定して歌を授けてた可能性あるよな

    • 笹井宏之、おすすめ

    • いつからか頭のなかで飼っている悩みがついにお手を覚えた 木下龍也

    • シャボンまみれの猫が逃げ出す午下がり永遠なんてどこにも無いさ ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は 穂村弘

    • やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君 与謝野晶子

      • なにとなく 君に待たるる ここちして 出でし花野の 夕月夜かな

    • 瓦斯燈を流砂のほとりに植えていき、そうだね、そこを街と呼ぼうか 千種創一 こちらは画像で見てほしい https://t.co/biw9BcM36y 砂丘律、文庫で買えるようになるので是非

    • 瓦斯燈を流砂のほとりに植えていき、そうだね、そこを街と呼ぼうか 千種創一 こちらは画像で見てほしい https://t.co/biw9BcM36y 砂丘律、文庫で買えるようになるので是非

    • 土鳩はどどつぽどどつぽ茨咲く野はねむたくてどどつぽどどつぽ 河野裕子 _人人人人人人人人人人_> どどつぽどどつぽ < ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

    • ぬばたまのクローン人間いづくにか密かに生るるごとき春寒

    • アラビアに雪降らぬゆえただ一語ثلج(サルジュ)と呼ばれる雪も氷も 白球は敵のグラブに収まって夏はあるべきところへ還る なんの関連性も無いけど、この2句が脳内に焼き付いてる

    • 神に武器ありやはじめて夏の朝気体となりし鉄と樹と人(加藤治郎)

    • 倒れないようにケーキを持ち運ぶとき人間はわずかに天使(岡野大嗣)

    • あはれあはれ あはれあはれと あはれあはれ あはれいかなる 人を言ふらむ

    • クルゼーロかな。

    • 恋路はいつもリアス式

    • 次々と涙のつぶを押し出してしまうまぶたのちから かなしい 笹井宏之

    • 「人魚姫と王子が出逢うその脇でわかめになってそよぐわたくし」 入谷いずみ

    • どうしても海が見たくて十二月ロマンスカーに乗る我と君  チューリップの花咲くような明るさであなた私を拉致せよ二月

    • 郭公鳴くや五月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな 夕月夜さすや岡辺の松の葉のいつもとわかぬ恋もするかな わが園の梅のほつえにうくひすの音に鳴きぬべき恋もするかな 宵の...

    • 世の中を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば 山上憶良 万葉集 抑圧されたままでいるなよ僕たちは三十一文字で鳥になるのだ 萩原慎一郎 滑走路

    • マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや 寺山修司

    • すれ違う ヘッドライトに君かさね その輪郭を金にみそめる

    • すれ違う ヘッドライトに君かさね その輪郭を金にみそめる

    • NASA着てさ カレー作ってぼくを待つ 君に会えるは 月に限って

    • 夜明けとはぼくにとっては残酷だ 朝になったら下っ端だから(萩原慎一郎)

    • 嵐のみときどき窓におとづれて明けぬる空の名残をぞ思ふ 西行 山家集

    • 脚よわき踊り子だから僕のほか誰も愛さないから愛した 山田消児 アンドロイドK

    • 恋しさは おなじ心に あらずとも 今宵の月を 君みざらめや(源信明) さやかにも 見るべき月を 我はたゞ 涙にくもる 折ぞおほかる(中務) 恋人同士のいちゃこらやり取りだけど、き...

    • 道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機 岡野大嗣

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