2022-06-23

野原ひまわり 小学3年生

兄が死んだ。

とは言っても5年前の事だ。

私の物心がつく前の事で、あまりよく憶えてはいない。

母が言うには凄く“ 特徴的な子 ”であったらしい。

母と一緒に出かけた時、道で兄と同じ幼稚園だった親子とたまに会う。

母は髪を横に分けている男の子に話しかけ、兄との思い出を話すが、その子はいつも困ったように笑う。

たぶん記憶が薄れていて、よく憶えてはいないのだろう。

それを見て、母も寂しそうに笑う。

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