いつも出勤時に乗る電車にいつもいるおじさんがいる。
いつもよだれをたらしながら、「う"ーう"ー」と唸っているので、
みんなからは「マッドドッグ」と呼ばれていた。
マッドドッグは誰かと接触することを特に嫌うようで、
肩と肩がふれると「がるぅううう」と喉をうならせる。
夏の暑い時期に、夏休みっぽい学生さん御一行がぶつかった時は、
「(ぐぉおおお)」と声こそ口にでていなかったが、低唸り声が車内に響いていた。
そんなマッドドッグが今年に入ってから姿を見せなくなった。
なんでも、踏切で立ち往生していた老人を助けようとして、
マッドドッグも老人も轢死したそうだ。
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