父が亡くなってからというもの、
母は毎日早起きして、俺たちが起きる前に、
線香をあげている。
帰宅するといつも、お香の臭いがただよっている。
ああ、これは呪いなんだな、
と思うに至った。
「父ヲ忘レルナ」という呪い。
今や俺は線香の臭いをかぐ度に、
亡くなった人よりも、
生きている者の思いに頭が痛くなる。
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