2013-12-04

美しい言葉であふれるこの世界

美しいというのは罪なことだ。

本当に美しい言葉を読むと自分自身が書き変わる。

あるいは変わらずにはいられない。

それは一瞬のことでしかも不可逆だ。

でもそんな美しい言葉を醜いと言う人ばかりなんだ。

世界はこんなにも美しい言葉であふれているのに。

から吐き出した言葉はどれもこれも美しい。

気が狂うほどに愛おしい。

怒りで震える手で書いた言葉は美しい。

泣きながらそれでも紡いだ言葉けが美しい。

どうせ文字の並びに大した意味はないんだ。

どれだけの心の震えをこめたのか。

上辺の言葉も借り物の言葉も勘弁だ。

涙は目で見えるけど心は見えない。

から心は言葉を紡ぐ。

それはただの水滴だ。

本当の涙は言葉なんだ。

そうやって見えるのは醜い部分かもしれない。

人に嫌われる部分かもしれない。

だけどそれは美しさだ。

人の心の本質だ。

儚さ。

切なさ。

どんな言葉で言ってもいい。

それこそやがては消えるさだめの人の命。

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