空にむかって網をなげ、星々を一網打尽にしてやった、とその神様は何もない真っ暗な空を指さして自慢気。星でいっぱいになったバケツからヴェガを取りだして私の頭に飾り、似合うよ、と屈託のない笑顔で私のことを抱きしめる。
ただひとり、君だけが輝いている。
と、神様は耳元でささやいた。
バケツいっぱいの釣果を夜空に戻す。
アルタイルを元の場所にもどし、それから神様は私の頭のヴェガを取って、少し迷ってからアルタイルのすぐ脇に置いた。
特別な日でなくても、いつでも会えるように。
神様は真摯に、そんなことを言って星座の形を変えてしまった。
Permalink | 記事への反応(0) | 19:01
ツイートシェア