空が明るいうちに帰るとふと空を仰ぎみたくなる。
そしたら、今しがた出たばかりのオフィスビルと目が会って、
離そうとすると、あそこに帰りたがるかのようにむずがって離さない。
そうしてたら、膝が少し濡れた。
せっかく空に太陽があるうちに帰れたのに、何で今日に限って雨なんだろう。
若干の失望と、まだ机に残ったままであろう処理待ちのドキュメントが
知らず知らずのしかかってきた。
それを振り払うように歩みを進めた僕の脳裏には、
残業に今も埋没してるであろう同僚達への拘泥から
早くも、今日の晩ご飯を家族と共に食べられる期待が満ち始めた。
ああ、こういうのをつかの間の幸せというのだな。
帰ったら娘の笑顔が見たい。
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