2010-12-07

物語の類型を考える。

ウィキペディアで「空気系」を調べるとあまりの罵倒しっぷりに驚いた。

しかも「けいおん!」「らき☆すた」に限定したかのような書き方。

が、「『セカイ系』では主人公とヒロインが「引き裂かれる」ことにリアリティを見出すのに対し、『空気系』は「引き裂かれることのない」日常空間にリアリティを見出すものとして対比されることもある」という記述はおもしろかった。

しかし、うーん、と思って、そしていろいろ考えた。

物語類型なのに物語をなくした空気系」。

本来、「君と僕の関係」に「世の中の流れ」が影響を与える「大河」を逆転させた「セカイ系」。

次に進む物語類型はどんなものになるだろうか?

ハルヒのように、いろいろな構造抽出して配置するのではオリジナリティがない。

しいものを作りたい

セカイ系」から物語性を抜いてキャラを立たせたのが「空気系」なら、その逆でキャラクターを抜いて物語だけにするとどうなるだろう。

マンガであれば登場人物は全員黒子。

黒子だけが、セカイの滅亡について語り合って命を張る。

マンガであればおもしろそう、というか芸術性がでてきそうだが小説にするとなると難しそうだ。

純文学ならありかもしれないけど。

名づけるなら「別セカイ系」とかだろうか。

それならばもう少し時代をさかのぼって、王道物語をひっくり返してみる。

セカイ系」が「大河」の裏返しであるのように。

勧善懲悪」は、善悪勝敗を規定する類型である

これを逆転させるなら、勝敗善悪を規定する「勝てば官軍」類型になる。

それぞれの正義がそれぞれの立場で戦うのではなく、「勧善懲悪」よろしく圧倒的兵力でまず勝って、その後に戦に至った説明がある、という形だろう。

パニック物」は災害などがあって起きるパニックを描く。

逆にするならパニックが起きて災害が起きる「お祭り将棋倒し物」だろう。

空気系」の様相からの展開で、パニックの収拾までは描かない。

かなり刺激的な作風になりそうだ。

冒険物」の場合は難しい

冒険への動機は語られるが、冒険したいか冒険しているのが実際であるため逆転が難しい

しかし、あえて風刺するなら、冒険するまでもない動機があって、それを達成するためにちょこっと冒険するパターンだろう。

これはその実「空気系」にならざるを得ない。

そう考えるほど、「空気系」は何もないがゆえに、物語類型の頂点にたっているようにも見える。

他の類型は様々な色を見せるが「空気系」だけはまさに空気、白である

空気系」が物語として認められた今、空気になんの要素を混ぜるか、だけで全ては描けるのではないか

それを破れるとすれば、冒頭であげたキャラすら消した世界、「別セカイ系」のみである

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