授業コード 5A00602
コース 2
学期名称 通年
曜日時限名称 水6
氏名 西山 茂
宗教運動とは、人間と社会が、希望なきところに希望を持ち、意味なきところに意味を見出し、どうにかして世界を故郷にしようとする集合的な企てである。この演習では、「宗教運動とは何か」について学んだ後に、事例として、戦後の日本で急膨張した創価学会運動を取り上げる。具体的には、急膨張期の創価学会運動を取り扱った優れたルポルタージュ等を読んで議論・発表し合って、宗教運動への社会学的な理解を深めたい。なお、別途、卒論題目の決め方指導も行う。
到達目標:
当該宗教運動が発展してきた社会的背景と運動を指導する側の理念・目標、さらには、運動参加者が運動に託した希望と意味等の間にあるトリアーデについて、一定の宗教社会学的理解に到ることを目標とする。
講義スケジュール 第1〜3回:まず、「宗教運動とは何か」について、複数の宗教社会学者の見解を紹介し、それを巡る議論によって、宗教運動への基礎的認識を深める。
第4〜6回:続けて、配布資料をもとに、日本の新宗教運動についての概括的な知識を身につける。
第7〜9回:第三に、配布資料をもとに、創価学会についての基本的知識を身につける。
第10〜14回:高瀬広居『第三文明の宗教』を読んで、討議・まとめ・発表を行う。
第15〜19回:鶴見俊輔『折伏−創価学会の思想と行動』を読んで、討議・まとめ・発表を行う。
第20〜24回:石田郁夫『創価学会−戦後民衆の思想とエネルギー』を読んで、討議・まとめ・発表を行う。
第25〜28回:演習活動のグループ総括発表と教員指導。なお、その間に、那須でのゼミ合宿を予定している。
指導方法 西山ゼミは、参加者が何でもやりたいことをやれるゼミではなく、教員の専門分野に即した特定のテーマについて学ぶゼミである。したがって、参加者も趣旨に同意した学生が多く、まとまりがある反面、少人数になりやすい傾向がある。
今年度の参加者の人数にもよるが、少なければ1つ、多ければ複数のグループでの討議・まとめを行って、その後、全体での発表と教員指導を行いたい。
もっとも、宗教運動や日本の新宗教運動、創価学会等についての基礎知識の教育は、はじめから、教員による全体指導によって行うこととする。
成績評価の方法 成績評価は、100%、春・秋学期の最後に提出して貰う年2回のレポートの内容をみて行う。ただし、それが水準以下の場合のみ、出欠状態の良否を参照して評価する。
テキスト ①西山茂「変貌する創価学会の今昔」(雑誌『世界』第72 7号、170−181頁,2004年6月)
③鶴見俊輔『折伏−創価学会の思想と行動』(産報,1963 年)
④石田郁夫『創価学会−戦後民衆の思想とエネルギー』(三 一書房,1965年)
参考書 適宜、演習時に指示する。
で、これがどうかした? 創価学会ほどの組織であれば、研究対象となったとしても、何らおかしくはないだろうに。