2010-03-03

http://anond.hatelabo.jp/20100303150205

そんなに外国人参政権導入したければ、憲法改正してはっきりと文言として残せばいいのにって思うんですが、

賛成論者の方は断じて『憲法改正』を口にされませんが、なんで?

地方自治体レベルでの参政権なら憲法違反ではない、という立場が制度導入論の前提になっているからです。

それが本当に違憲ではないのかということの最終決定権は最高裁にあるわけですが(これを最高裁判所違憲

立法審査権と言います。)、日本制度では、法律を作る前に最高裁に「この法律違憲でしょうか合憲で

しょうか」という照会をすることはできないことになっています。ですから、合憲性について争いがある法律

であっても、立法府の段階では誰にも(賛成論者でも反対論者でも)決着をつけることはできないわけです。

ただ、仮に最高裁が判断することになったときに最高裁がどのように判断するかは、ある程度であれば、見当を

つけることはできます。その参考になるのが最高裁判例憲法学者の学説です。判例法律ではなく、あくま

でもある事件を解決するために述べられた裁判官意見に過ぎないのですが、しかし最高裁判所は自らの判例

簡単には変更しませんので(全く変更しないというわけではありません。最高裁が自ら宣言して変更することも

ありますし、判例変更するとは明言しないものの、判決の中身をみると実質的には判例変更されているというこ

ともあります。)、最高裁判例憲法解釈の上で大変重要な資料になっています。また最高裁判所判決は、

判事や調査官が判例や学説について詳細な調査をしたうえでなされますので、学説の積み重ねもそれなりに影響

力を持っているものと推察できます。

そういうわけで、自治体での外国人への参政権付与を唱える人たちは、最高裁判例で述べられていた意見や、

学説の大勢などを見た上で、これを合憲と判断し、したがって憲法改正は不要と考えているわけです。

なお、判決中に述べられたある意見が「傍論」か否かは、上記の判断にあたっては、決定的な要素にはなりません。

判決中の法解釈に関する裁判官意見が「判決理由」なのか「傍論」なのかという区別は、判例法律と同等の法的

効力を有しているとされる英米法系の法域では大事なのことなのですが、日本では上記のように判例法律と同じ

力は持っておらず、「判例は変更されにくい」という経験則にもとづいて解釈の参考資料の一つとして参照されてい

るに過ぎないので、「判例中のある意見傍論であれば無意味で、本論だけが意味をもつ」という区別の仕方は、将来の

最高裁憲法判断を予想するに際しては誤った区別です。(傍論だからあんまり重視しなくて良い、という考え方なら

あり得ますが、それも常に言えるわけではありません。)

記事への反応 -
  • こんなことを書いたら怒られそうだが、 ・憲法って法律作る際の基準になるもの、、、でしょうか? ・外国人参政権に関しては、違憲判決が出てるんでしたっけ? そんなに外国人参政...

    • そんなに外国人参政権導入したければ、憲法改正してはっきりと文言として残せばいいのにって思うんですが、 賛成論者の方は断じて『憲法改正』を口にされませんが、なんで? 地...

      • そういうわけで、自治体での外国人への参政権付与を唱える人たちは、最高裁の判例で述べられていた意見や、 学説の大勢などを見た上で、これを合憲と判断し、したがって憲法改正...

        • ばかだなあ できるからするんだよ。 ベキ論まで耳貸していたら不利になるだけじゃないか(笑)

        • 反対派はもっぱら「やるべきかどうか」に主軸が置かれてる気がするんだけど、それに対する賛成派の反論ってあんまり強くない印象 しかし、「やるべきでない」の根拠としてみるべ...

          • しかし、「やるべきでない」の根拠としてみるべきものが「憲法違反だから」くらいしか見当たらないので、 いやいや他にも掃いて捨てるほどあるだろ。反対派のどこを見てんだよ(笑...

      • 4通りの考えかたがあって、 地方自治体レベルでの参政権を認めるか、認めないかの2通りと、 それとは独立に 地方自治体レベルでの参政権は憲法と矛盾する、矛盾しないの2通り の2*2で4...

        • 1はいないでしょ。 一応「憲法では憲法に違反しないという判断がされている」というのが通説になっているし、違憲論を出しているのは割と無理筋というかトンデモ系。わざわざ賛成派...

        • 1. 地方自治体レベルでの参政権を認めるべきだけど、憲法に違反しているから、憲法を変更すべき 認めるべきと考えている人は、基本的に最高裁判決が許容説を示したと考えている...

          • 憲法論がいちいち出てくるのも、推進派が引き合いに出してるのが発端だと思う。 反対派は憲法論以前に、実施したら色々と不利益が発生するという考え方が根底にあるので、最高裁が...

            • 反対派は憲法論以前に、実施したら色々と不利益が発生するという考え方が根底にあるので、最高裁がどう解釈していようがあまり関係ないんじゃないかな。 だったら、合憲だろうが...

              • 判例の意味も知らずに“傍論”と暴論を吐いてるのが、反対派の主流だろ。 傍論は傍論だし、そもそも主流ですらないし、仮に主流だったとしてもそのロジックに頼る必要も無い。反...

                • 傍論は傍論だし、そもそも主流ですらないし、仮に主流だったとしてもそのロジックに頼る必要も無い。反論の材料は他にいくらでもある。 確か今日、枝野行政刷新相がおあつらえ...

                  • 「外人は外人だろ」という基本的発想がない人のように思える。

                  • 永住外国人は、善良で担税力もあって国益に合致してるのだから、そもそも警戒する対象にする必要がない。 その前提はあくまでも法的な手続き上のものであり、その手続きに欠陥が...

                    • その前提はあくまでも法的な手続き上のものであり、その手続きに欠陥が無い事が前提になっている。 どんだけ政府を盲信してるんだ。 国家権力が法律上の手続を順守しているので...

                      • 国家権力が法律上の手続を順守しているのであれば、特に不都合がない限り、問題にしようがない。 その理屈なら外国人参政権も実施する必要は無いだろ。外国人が投票出来ない現状...

                        • その他も各自自己判断でNG追加していってくれ。

                        • idバレしそうだったら言わなくてもいいよ

                        • そんなに難しい話じゃないと思うけどな。 この話の発端は、帰化要件の緩和によって団員の帰化が加速し、組織力の低下傾向に歯止めがかけられなくなっている民団の危機感が発端。 そ...

                        • その理屈なら外国人参政権も実施する必要は無いだろ。外国人が投票出来ない現状に特に不都合は無いんだから。 「代表なくして課税なし」ってのが基本だよ。 ただ、国民主権原理と...

                    • 「ウヨッキー」とか「エロオタ」とかNGワード回避の涙ぐましい努力ご苦労様。

    • 『憲法はインクの染み』って誰かが言ってたよ。そんなものに何の効力がある訳ないじゃない。

    • こんなところで聞くよりもとりあえず憲法の教科書を買って読むべきだと思うが。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん