http://anond.hatelabo.jp/20100220230624
将来のインフレ目標に(したがってそれを達成する貨幣供給量に)コミットすることにより期待インフレ率を操作するメカニズムは、通常のインフレ目標政策も流動性の罠からのインフレ目標による脱出も全く同じでしょう。
だから全然違う。
ブランチャードらが言及した4%ターゲットを含む一般的なインフレ目標の議論で問題になるのは、中央銀行に(短期的に)目指すべきターゲットレートを超えるインフレ率を設定するインセンティブが事後的に発生してしまうという点。いわゆる時間的不整合性の問題(この問題の解決法は多くの方法が散々議論されているので、適当なテキストなり論文なりを自分で参照してもらいたい)。だから、2%のターゲットレートを4%に引き上げることによって、コミットメントの問題が追加的に発生することはない。前回の繰り返しになるが、もしも4%の達成を一般の人々が信じないのなら、中銀は喜び勇んで金利を下げるだけの話だ。
一方で、ゼロ金利制約下では、今実質金利を引き下げるには、将来時点で一定期間均衡インフレ率を上回るインフレ率を達成することにコミットせねばならない。しかし、仮にその宣言が信頼され、経済が安定成長軌道に復帰してきたとき、Forward lookingな中央銀行には過去の約束を守るインセンティブがない。むしろ、この時点においては以前からコミットしてきたインフレ目標の遵守を迫られることになる(インフレ目標を置いている場合)。この場合、インフレ目標とリフレ政策とを実行するインセンティブは両立し得なくなる。ここまで書けば両者の違いについて理解してもらえるだろうか。
公平を期して書くと、Eggertsson and Woodford (2003)でも、このコミットメントの困難性は認識されており、それを解決する方法、それが日本でなぜ実行されないかの類推までもが議論されている。興味深い議論なので、こういう話が好きなら読んでおくべきだろう。ここを読むと、Eggertsson and Woodford (2003)の議論が少し違って見えてくるのではないかと思う。この部分が日本語で議論されているのは寡聞にして見たことがないのが残念だが。
それから、上で散々書いたのでこれ以上嫌みったらしいことを書きたくはないが、一点だけ。
なんか根本的に理解してないんじゃない?
増田なんだからどんな放言をしても構わないと思うし、それを失礼だ!と憤るつもりもないが(自分もやっていることだし)、一つ質問させて欲しい。君がこれを書く前に、インフレ目標政策の理論についてどれだけ勉強した?君が「自分は根本を理解している」と明言できる自信は一体どこから来るんだろうか。前から気になっていたのだが、リフレを議論する人たちは(賛否に関わらず)、自分の意見に反論されるとすぐに「経済学が分かっていない」とか「トンデモ」だとか言い出す傾向が見受けられるように思う。十分に勉強した人間が、確固たる確信を持ってその言葉を口にするなら構わない。ただ、外野から見ていると、そうでもない人間が軽々にそう言うことが目に付くように思う。それは、結局リフレに関わる議論それ自体の価値を貶めているように思うのだが。
http://anond.hatelabo.jp/20100216112730 明快かつ痛快な解説。 ただ一点だけ同意できない点があるのです。 池田先生なんかよりずっと英語が読めている我らが増田一同の代表氏曰く、 「リフレ...
せっかく2時間もかけて前のエントリーを書いたのに、丸一日経っても誰も読んでくれないよ…と涙に暮れていたのですが、なんとお褒めの言葉付きで長文のリプライが!「もうこれは2...
ふーん。ブランチャードはリフレ政策に効果がないと主張し、一方ではインフレターゲットの数値を引き上げることを検討すべきだと主張してると。 ところで、リフレ政策の理論的基礎...
http://anond.hatelabo.jp/20100218194345 ところで、リフレ政策の理論的基礎とインフレ目標政策の理論的基礎はそんなに異なるものなのかいw 全然違うに決まってるじゃないか。ブランチャー...
全然違うに決まってるじゃないか。ブランチャードが議論しているのは均衡インフレ率の話 え。金融政策が均衡インフレ率を操作できるって? おかしいな。なんか根本的に理解して...
http://anond.hatelabo.jp/20100220230624 将来のインフレ目標に(したがってそれを達成する貨幣供給量に)コミットすることにより期待インフレ率を操作するメカニズムは、通常のインフレ目標...
だから、2%のターゲットレートを4%に引き上げることによって、コミットメントの問題が追加的に発生することはない。 いや、だから全然ずれてるよ。最初の2%のターゲットにコ...
http://anond.hatelabo.jp/20100221183451 「コミットメントを前提とするインフレターゲット政策」を前提にしながら「コミットメントが困難だからリフレ政策は無理」ってあり得無くない? 君...
色々と親切に教えてくれてありがとう。勉強します。
http://anond.hatelabo.jp/20100222091736 もう見ていないかもしれないけれども。 とりあえず、学部高学年向け又は大学院初級向けのテキストなら、必ず時間的不整合性についての解説があるはず...
利下げできなくても量的緩和ができるのでは? 政策金利はどれくらい貨幣を増やすかの目安で結局利下げも量的緩和同様に中央銀行が資産を膨らませるということに変わりはない。
http://anond.hatelabo.jp/20100220110208 利下げできなくても量的緩和ができるのでは? ゼロ金利制約下ではマネーサプライをいくら増やしても無意味という話はクルーグマンが10年前に説明し...
ゼロ金利制約下ではマネーサプライをいくら増やしても無意味という話はクルーグマンが10年前に説明してるので、そちらを参照して欲しい。 これは反論になってないよ。それともわ...
http://anond.hatelabo.jp/20100221101656 意味が全く分からない。無視してしまおうかと思ったが一応2点。 当該エントリーを何度も読み直したがそんな意味で解釈できない。 「コミットメント...
ほとんど読んでないけど文章がキモイ 性格もキモそう
ほとんど読んでないけど文章がキモイ 性格もキモそう
これは新興宗教の必勝パターンでありまして、この父親が毎日祈りを捧げても(量的緩和)、喜捨の額を増やしても(国債買いオペ増額)、病から快復しないならば「信心が足りない!...
”祈りが足りないというのは客観的に評価できないが貨幣量増加は客観的な数字で出てくる。実際日銀のマネタリーベースの増やし方は他国と比べ明らかに小さい。「少しの金融緩和で...
確かにブランシャールは、以前に考えられていたほど流動性の罠からの脱出がやさしくないと言っているんでしょう。しかし、それは別に、より高いインフレ率目標にコミットするとい...
http://anond.hatelabo.jp/20100218184729 余計な推測は最小限にして、明示的に書いてある内容、つまり「これは日銀が…と片付けられてしまった」(が、実際はそうではなかったと)いう文章からす...
非常に論理的かつ説得力にあふれた議論だと思うけれども、最後の「司祭」云々はいただけない。それまでの議論と全く異なる話にねじ曲げてるじゃないか。日銀が実際にコミットメン...
http://anond.hatelabo.jp/20100218190847 うん、ごめん、筆が滑った。そもそも最後の部分は「ブランチャードの話を脚色して見せる」部分なのに、ブランチャードが言及していないことについて書...
結局、日銀はリフレ政策をとらなかったわけで、ブランシャールがリフレ政策を否定するような根拠はないということですよね。実際にそのような根拠文献も何ら示されていないし。 ま...
http://anond.hatelabo.jp/20100222001626 結局、日銀はリフレ政策をとらなかったわけで、ブランシャールがリフレ政策を否定するような根拠はないということですよね。 えっと、何故そう思う...
無税国家誕生まで信心。
リフレ政策をインフレターゲット宣言でコミットメント効果に限定して 信心って書いてるのか。 そーか、そーか。
つまり、リフレ政策が実現困難だ(ないしはコストが高い)と思えば思うほど、普段からより高いインフレ率をターゲットとすべしということになるのだろうか。