2010-01-05

死に至る乳房

例えば二階堂奥歯さんの胸があと2カップ小さかったら自殺しなかったんじゃないかと、冗談半分本気半分くらいで思う。

だいたい何万年もかけて進化してきたのに、未だにオスを誘うために体の一部が肥大してるなんてナンセンス

子どもができてから、必要なだけ膨れればいいじゃないと思う。そして子を育て終えたら萎んで無くなればいいじゃない。

生まれつき体の一部が欠損している人、逆に肥大している人がいれば皆気を遣うくせに、どうして乳の大小は明け透けに楽しげにどうこう言う。

小学校中学年のとき、学年に一人だけ腋毛のはえてる女の子がいて、陰でクスクス笑われてた。

クスクス笑ってる子たちは、身体測定のあととか、「見して見して」って私の服をつかんで襟ぐりから胸を覗き込んだ。

たぶん私も陰でクスクス笑われてんだろうなと思いつつも、本気で嫌がったりしたら余計からかわれるなと思ってへらへらされるがままになってた。

そういう私をクラス学級委員長みたいな、女子グループからは浮いてるけど潔癖で真面目な子は軽蔑するような目で見ていた。

小学校卒業するとき、母がお姉ちゃんの下着を買うのと一緒に、私も初めてブラジャーを買いに行った。

下着ショップの綺麗なおねえさんに「お嬢様のサイズですと、EかFになりますね」って言われたときの、母の戸惑った顔が忘れられない。

中学生のときは一回も水泳の授業に参加しなかった。私の仲良くしてるグループの子も皆参加しなかった。

スクールカーストの所謂ナードのチームにいたと思うけど、皆、実はむだに胸がでかかった。

でも、そのぶん胸の話とか異性の話とか避けてて、「自分達が女である話」には絶対ならなかったから、居心地よかった。

高校生のとき、生徒の間で人気のある女の先生がいた。

でも、女の子の一部は「でもあいつは胸がでかいからじゃん」「でもあれは巨乳じゃなくてただの鳩胸じゃん」とか言ってた。

いい先生だろうとそうでなかろうと、その人が女で、胸があれば、教師としての能力とか人柄は無視ですかそうですか。

違うクラス男の子と図書室の狭い通路ですれ違うとき、相手の背中に胸がぶつかってしまったことがあった。

数日後、いきなりその子に告白された。ものすごい恥ずかしくてみっともなくて、死んじゃえよこいつと思った。

大学生のとき、派遣バイトに行ったら、その派遣先担当者がものすごい感じの悪い男の人だった。

あるときバイトの子が皆着替えてるときに更衣室に当たり前みたいに入ってきた。「ごめん」の一言も勿論なし。

で、その日から私だけ評価がプラスにされて、実際の売り上げが良い子よりも給料が多くなった。

派遣じゃなくて直接雇用バイトしないかと言われたけど断った。なんて気持ち悪い人がいる会社なんだろうと思った。

母親にも、「あなたは胸おっきいからあんまりへんなところうろつかないでね」と言われた。

へんなところなんて行きませんし、胸が大きくなかったらへんなところ行ってもいいみたいな言い方だなと思った。

それに、へんなところに行かなくても、私の胸にどうこう言うへんな人はどこにだっているのに。

頑張って筋トレして体脂肪率18%くらいまで落としたことあるけど、胸は1カップしか減らなかった。

久々にあった友達に「痩せたよね」「でも、相変わらず胸はでかいけどね(笑)」と言われた。

今はもう大人だから、多少のことでいちいち傷ついてなんかいられないし、

周囲が求めてるものに答えるのが自分にとってもいいことだと分かってる。私の胸を求める人がいるなら私もそれを利用させてもらう。

襟ぐりが開いててウエストが絞れてる服、体のラインが出る服のほうがスタイルがよく見えるから、胸が目立つことを承知で着るし、

「胸でかいからいいよねー」みたいなこと言われれば「胸だけでかくてもねー」「いろいろかき集めて寄せてつめてるだけだからねー」と笑って返す。

でも、心の奥底にある、周囲の勝手な「胸」への押し付けに対する怒りと、それを利用する自分への軽蔑は消えない。

巨乳が売りのグラビアアイドルには憎悪は沸かない。

多かれ少なかれ同じような思いを経験している人達だし、

どこか、虚勢を張っていないとすぐに周りが皆敵になる、みたいな緊張感を感じさせるから。

乳房に翻弄される自分の性への不安とそこからの開き直りというのか。

リリー・フランキーナンシー関との対談で「地味な巨乳とか、萌える巨乳なのに地味みたいな」とかなんとか言ってた。

で、横に裁断機使ってる事務員の巨乳イラスト。全然面白くないと思った。そんなのでお金貰ってるなんて意味わからない。

世の中の派手な女と地味な女の比率を考えれば地味な巨乳のほうが圧倒的に多いのに、なに言ってんだろうこいつと思った。

はしごたんが暴れまわってた頃、巨乳に対して憎悪を燃やすエントリをあげてて怖かった。

「お前らは太ってるからマンカス溜まりやすくて臭いだろ」みたいなこと書いてあった。

なんでそんなこと言われなきゃならないんだろうと思って悲しい一方ですごく腹が立った。死んじゃえよこいつと思った。

ツイッターかの何かの投稿で、「マスカラを塗りやすくするために温め中」って胸の谷間に挟んでる画像を上げてる女の人を見た。

死んじゃえよこいつとまた思った。喜んでそれに反応してる奴らもまとめて死んじゃえよ。

「どうせ私は貧乳だよ~!」「貧乳いいよ!俺は好きだよ!」みたいなやりとりして喜んでる奴らも死んじゃえよ。

胸はみんな、あとから膨らませたり入れたりするものだということになれば皆納得するし世の中平和じゃない。

月経の前になると、私の肥大した胸はさらに1サイズ分くらい腫れて熱と痛みを持つ。ものすごく惨めな気分になる。

でも、そんなときに2ちゃん女性の集まる板を見ると、同じような人が胸の下に保冷剤をいれて痛みをやり過ごしていたりする。

そういう書き込みを見ると、なんだか少しだけ心が安らぐ。理不尽に抱いた凶暴な感情も少しだけ和らぐ。

できることならずっと、こういうやさしい傷のなめ合いみたいな同調だけし続けて生きていたい。

  • 大変なんだな。 ただあなたも気にしすぎないほうがいいよ。 胸のことをどうこう言う誰かと同じことを、自分が率先してやってるようなものだ。 蛇足だけど俺は女性の胸に興味は無い...

    • やさしい言葉をありがとう。 理不尽にぶつけられた言葉の暴力を、ときどき私も誰かに理不尽に振るってやりたい衝動に駆られます。 でも、増田に書いたら少しすっきりしました。 >...

      • 人間いろいろ、出会いもいろいろ。 増田の場合、出会っている人間と取り巻く環境が ことごとく増田の胸に対するネガティブ感情を増幅させて コンプレックスを飛び越え憎悪の対象に...

    • 増田にも聖人っていたんだな。 うそくせぇ

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん