2009-10-01

大学院は内部進学しにくくし、学歴ロンダを賞賛しよう

http://anond.hatelabo.jp/20090930032629

エントリーより。

たとえばエンジンの開発において以前は機械工学出身者で十分開発が行えたが、燃費重要になる昨今では燃焼そのものが化学変化であることから化学出身者を積極的に採用している。

また、マイクロメートル単位での精密さが要求される分野では誘電材料が用いられるが、分極や誘電率を理解しようとすれば、化学の知識が必要になってくる。

日本発展途上国のときは先進国に追いつくため、分野を分断し「I」型のエンジニアを育てていれば良かったがそれはもはや中国仕事であると思う。

「T」型の知識を求める人間が必要であるのに日本高等教育がそれに対応していないのだ。

どうせ会社に入って大学研究とは直結しない部署に振り割けるならば、頭が柔らかく若い人間のほうがいいのだ。当然である。

この点では海外ではさらに進んでおり、博士号を二つ取得するダブルメジャー流行っている。

もはや、「I」や「T」を超えて、「π」型の研究者技術者を生み出そうとしているのが海外の現状だろう。

だが、日本では副専攻やダブルメジャー制度はほとんどない。

その中で、私が提案したいのは修士課程博士課程への進学時にまったく専攻が違う分野に変えてしまうことである。

私は、この道を選んだ。

私が修士課程で進学したのは大学院大学であり下に学部がなかったため、TARAなどの学部生の講義の手伝いをする必要がなく自分勉強に専念できた。また、化学や材料工学出身以外の人向けの基礎的な講義があり、それを受講することで基礎から勉強できる環境が整っていたのである。

分野横断的な学習で得たものは多い。

学部時代には、半導体バンド理論いまいちしっくり来なかった。エネルギーがとびとびな値をとることにどうしてもイメージがつかなかったのだ。しかし、これも分子一個がエネルギーを受けて励起するという量子力学量子化学の基本さえ知れば、シリコンであってもそれが結晶状態でつながっているに過ぎないと簡単に気づく。分野の違いなどは所詮人間勝手に分けた物に過ぎないのだ。

また、多くの分野を学んだことは会社に入っても役に立っている。何か問題がおきたときに他の人にわからないことがわかるのだ。

つまり仕事が早く終わり、なおかつ他の人が思いつかない新規の提案も用意に行えるのである。

製品改善の方法は一つではなく、材料の見直し、ソフトウェア改善ハードウェア(回路や機械設計)の見直しなど多々あるが、これらを全体を通して考えることができるのである。

ほぼ、同意する内容である。

多くの理工系の大学生大学院に進学するが、それは研究室配属になった学生がTAなどとして役に立つからであり、現在大学院学生数が大学の評価にもつながっているからだろう。

むしろ、大学院は積極的に学部を受け入れるようにし、大学と同じ大学院に進むのをやめるように文部科学省がしていけば、新しいイノベーションもおきてくると思う。

ずっと同じ研究室に配属して生まれてくる博士号取得者は教授劣化コピーであり、新規のアイデアが求められる研究には向かないと思う。

記事への反応 -
  • この文章は、現在の大学の学部生や修士課程の学生にぜひ読んでもらいたい文章だ。 まず、私自身の経歴を紹介しておきたい。 地方国立大の電子工学科卒業後、大学院大学に進学し化...

    • http://anond.hatelabo.jp/20090930032629 のエントリーより。 だが、日本では副専攻やダブルメジャーの制度はほとんどない。 その中で、私が提案したいのは修士課程や博士課程への進学時に...

    • 内容はいいんだけど、「専攻ロンダリング」っていうよりは「マルチ専攻のすすめ」なんじゃないかな、と思った。

    • 一回全然関係ない分野(文系職とか)で働いてみるというのもオススメしたい。 驚くべきことに自然科学を見る目が変わってより深く理解できるようになったりするんだなこれが。 まぁ...

    • ほぼ同意。 情報工学出だが、今は機械工学やってる。

    • メーカーに入って、営業にまわされたってのは珍しくないよ。 俺がその口。

    • それやって就職活動で思った以上に時間がつぶれて両方中途半端になりそうな自分。

      • 広い視点をもってます。ってアピールで修士の研究の結果出てなくても意外といける。 ただエントリーシートで切られないように学校推薦な。

    • 日本はT型とかI型とか いう以前に.型。大学の専攻が専攻になってない。 音楽がよい例で、小学生から音楽の勉強をしているとか当たり前。そこから20年近く経験を積んでという世界。 ...

      • 日本はT型とかI型とか いう以前に.型。大学の専攻が専攻になってない。 音楽がよい例で、小学生から音楽の勉強をしているとか当たり前。そこから20年近く経験を積んでという世界...

      • http://anond.hatelabo.jp/20090930122715 いわんとしてることはわからないでもないけど、俺から見れば、一つのことを卒業したやつは他の事をやらせても巧いし、一つの事に拘って卒業できないや...

    • 機械ばっかやってきたけどそろそ専門変えようかな

    • 質問 大学 → 大学院で専攻を変えた方 困り度: 困っています 大学院に行きたいのですが、今とは違う専攻になりそうです。 それに関して質問があります。 まず、大学院が...

      • 本旨から外れるけど、大学院の入学に学部時代に何らかの科目を履修していることを求めるとか、大学院が学部時代に取得した単位を大学院での修了要件に組み入れるとか、そんな話は...

    • 大学において新しいものが生まれない理由はやはり、日本の大学教育システムが問題であるためだろう。 たとえば、最近の記事として 生きたカブトムシをリモコン操作することに成功...

      • それどころか、ダブルメジャーなんてやった日には「歳食ってる」とか「なんか慣例と違う」とかいう理由で敬遠されたりする始末だからな…。マジ終わってる。

        • 企業にいかずに、そのまま大学に残るならばありかとは思う。 もしくは、このトピックの増田みたいに進学時に専門を変えるというのが現実的なんだろ。 同じ研究室に、学部、修士、博...

          • つっても今後アカデミックのみを研究者のキャリアパスと考えるのはますます非現実的な話になってくと思うけどねえ…。 まぁグチグチ言っても慣習は変わらないし、文句があるんだっ...

      • ぶっちゃけこういうのは軍関係。 あまり日本で真似する必要もないと思うね。 もっと堅実に実用に向けた体制組んだ方がマシ。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん