西寧―ラサの「西蔵鉄道」の次は成都―ラサを八時間で結ぶ鉄道。
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四川省の成都とチベットのラサを結ぶ高速鉄道は九月着工をあきらめ、大幅に遅延する見通しと発表された。
すでに青海省の西寧からラサへは鉄道が繋がり、一昨年の開通時には世界中の鉄道ファンが試乗にやってきた。
日本でもマスコミが大きく扱った。リチャード・ギアは、これを「チベット侵略鉄道」と呼んだ。
もう一本の「侵略鉄道」も早くから計画されていて、四川省の成都からラサまで、時速二百キロ、走行距離1629キロを八時間で繋ごうという大プロジェクトだ。
現在は一日おきにT22という長距離列車が運行されており、45時間かかる。
或いは山道、岩盤、高原をゆくハイウエィがある。ぶっ飛ばしても三日、ふつうは五日ほどかかる。
筆者はこのルートを飛行機で行ったが、やはり飛行機も満員だった。理由は四川省からラサへの出稼ぎ。この場合、観光シーズンにホテル、レストラン、土産屋、ガイド、タクシーの殆どが四川資本、四川の人々がチベットへ行って荒稼ぎをするからである。
さて、中国鉄道省は総額540億元(79億ドル)という途方もない大国家プロジェクトの遅延を渋々認めた。
九月着工では区間の大半が気象条件が悪くなり、凍土が半分以上となるため、というのが表向きの理由。
成都からラサへは途中に雅安、カンディン(健定)、リタン(巴塘)、ゾガン(左貢)、ボニ(波密)、ニャンチ(林芝)などを通るが、この地域は世界的な銅鉱山地帯として知られる。
チベットの鉱物資源横取り鉄道とでも名付けられるかも知れないが。。。
通巻第2699号