俺の知人に、ゴキブリ蒔き魔がいる。
そいつはアパートに独り暮らしをしてるんだが、そこで大量のゴキブリを飼っている。
部屋に放し飼いしているんじゃなくて、たくさんの水槽の中で養殖しているんだ。
(いや、実際は放し飼いもしてるけど、メインは水槽での養殖ってことで)
そして、そこで増えたゴキブリじゃなくて、小豆みたいなゴキブリの卵を
キレイなマンションや一軒家の庭やベランダに、夜な夜な放り込んでいる。
なぜそんなことするのかと言うと、まあ単なる妬みとか趣味みたいで
クリエイター的やアーチスト的な、なんらかの独創的な衝動があるのかもしれないけど。
やってることは、まあ軽犯罪になるような気がするんだけど、
庭やベランダに卵を蒔いたところで、実際は侵入したり繁殖したりできないだろうし、
まあ結果的におもしろがって見てるんだけどね。
それで何を伝えたいのかと言うと、そいつの部屋にこないだ初めて行ったんだけど
部屋の中に甘い匂いが漂っていたんだ。
そいつに言わせると、その甘いのがゴキブリの匂いらしいんだが、
言われなければ芳香としか思えない匂いなんだよ。
お菓子からこの匂いがしていたら、きっと美味しそうだと思える匂いなんだけど、
なにせその正体がゴキブリだってわかってるから逆に気持ち悪くなってしまった。
それ以来甘い匂いを嗅ぐと、それを思い出してしまってスッキリしないんだ。
ゴキブリ蒔き魔の部屋に行くときにはくれぐれもご注意を。
そもそも増田の話がただのホラ話の可能性のほうが大きいけど、 こういう話って「実際にありえそう」だから怖いよな。 ついでに、「甘いにおい=ゴキブリのにおい」的な暗黙的牽強付...