2009-03-17

悪徳商法の思い出

マルチの話題がはやってたので。

学生の頃、悪徳業者と契約してしまったことがある。

当選商法というやつで、突然「当選しました!」という葉書が送りつけられてくるやつで(郵送じゃなくてポスティング)、葉書を持って事務所に行くと一万円分の商品がもらえると書いてある。

それでノコノコ行ってしまった。

事務所では太った若いねーちゃんが応対して、「海外旅行格安でいける会員権」の説明を始めた。この会員権で親を旅行につれてったら喜びますよ、とか、会員同士で友達が増えますよ、とか長々と言われた。一万円分の商品は新規会員になるともらえるらしい。

時間拘束で疲れ果てた頃に、「ところで海外旅行といえば英会話が必須ですよねー」と話題を持ち出し、英語教材を買わせようと説明を始めた。どうやら会員権自体は無料だが英語教材が50万円するとのこと。これを買わなきゃ会員にもなれない。

さすがに怪しさ満点だったので、もちろんいらないと突っぱねた。すると上司の男がやってきて、また同じ説明を始めた。「なぜ?いらないというんです?」と聞いてきたので「お金がない」と答えた。ここで「怪しいから」とか「あんた悪徳だろ」とか言えてればよかったが、対面で直接そんなこと言える度胸もなかった。月々1万ちょいのローンも簡単に組めるとか言ってきた。一日缶コーヒー一本我慢するだけで素敵な会員権が手に入るとかも。

お金がない」で突っぱねてると、上司の男が「じゃあ、毎月のローンで、もし払えない月があったら私に電話してください。私が払いますから」と言ってきた。

学生のうちはお金がなくて当たり前だ。そんなときは上司の男が足りない分を俺の口座に振り込んでくれるとのこと。

ここで俺の足りない頭にささやかな悪知恵が浮かんでしまった。(それなら、全額上司の男に払わせよう)

契約してしまった。友達を紹介してくれれば紹介料もらえます、と言われた。そんなことするか。

後日俺のアパートに、英語教材と一万円分の商品が送られてきた。しばらく冷静になって考えると、ほんとに全額上司の男に払わせることができるのか、と不安になった。不安に襲われると「そのときはそのときだ」と開き直った。この繰り返し。

最初のローンの支払いの日。

上司の男に金を催促す電話をかけた。「いくら足りませんか?」と聞いてきたので「全額の一万数千円です」と答えた。上司の男は一瞬絶句してたが、わかりました、といって電話を切った。口座を見たら、ほんとに振り込まれてた。「このまま振り込ませ続けよう」と「これからずっと振り込んでくれるかなぁ」で気持ちがぶれるの繰り返し。

学校の友人に酒の席で、この話をしてしまった。上司の男に払わせようとしてるのをぼかして「悪徳商法契約した」ということで駄目なとこ自慢というか、黒歴史武勇伝みたいな。「お前馬鹿だなぁwww」と笑って盛り上がるかなぁ、と思ったら、「すぐに消費者センター行って解約しろ!」と凄い剣幕で怒られた。

消費者センター行きは、ちょっと抵抗があった。純粋被害者ならいいが、ずる賢い計画を立てて半ば悪徳と認識して契約してしまったからだ。

いざ、行ってみたら、思いのほかスムーズに話がすすみ、契約後一ヶ月以上経ってたにもかかわらず、直接被害金は0円のせいか、すぐに解約できた。消費者センターすげー

あとから着払い英語教材ともらった商品を郵送して、この業者とは縁が切れた。めでたし。

  • 超ド級のバカを救ってくれた、かけがえのない友人にちゃんとお礼はしたか?そこまで浅はかな奴を「プギャー」と見捨てずにきちんと怒ってくれる友人なんて一生もんだぜ。正直うら...

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