久しぶりに「リンダリンダリンダ」を見た。何度見てもいい映画だ。でも、そのあとネット上のレビュー読んでて思ったんだけど、なんでみんな青春時代の魅力にあふれた映画だ、みたいな言い方しかしないのか。青春時代の気分とか、子供の時の気分とか、昔の気持ちが甦るとか、そーじゃねえだろう。
人が成長するってのは、昔の気分を塗り替えていくんじゃなくて、それにいろんなものが付加されていくもんじゃないのか。子供の頃の純粋さを失っていない人、みたいな言い方もあるけど、子供の頃の純粋さを失う人間なんていないっつうの。純粋さに不純さが付加されただけで、純粋じゃなくなったみたいに言うけど、それって何か隠してないか。そもそも不純さって何だよ。要領がよくなったとか、世渡りが上手くなったとか、一目ぼれしなくなったとか、人を100%信用しなくなったとか、それってみんな自分の純粋さを傷つけないためのテクニックなんじゃないの。なんか、不純の方がメインだ、みたいな言い方やめろっての。腹立つわ。
確かに大人のかっこよさみたいのもあるけど、でもそれって自分の中ではサブカルだわ。空気を読んで自分を殺す渋さ、みたいのも分かるけどさ。でもそれ、自分の中ではあくまで傍流の美。なんか特に最近、そういう脇役(オトナな言説)が幅利かせてる気がする。やっぱ世の中カネじゃんとか。カネなきゃ幸せじゃない奴なんてクズだろ。現実は、現実は、ってアホか。現実なんて一人一人でぜんぜん違うんだよ。それをどうすり合わせていくかってのが社会だろ。すり合わせ方が感傷的すぎんだよ。「やっぱ現実、おカネがいちばん重要だよね」とか「現実問題、そんなキレーゴトでいかないよね」とか。現実はこういうものだ、みたいなの勝手にでっち上げて、それに流されてるだけじゃん。現実気分に酔ってるだけ。
話飛びすぎ。ちと反省。ていうか、つくづく自分は野党だなぁと思う。「現実はそうだが、理想はこうだ」。「理想はそうだが、現実はこうだ」になんないのは、なんか青春時代に現実でトラウマでも負ったんだろうか。
あ、それと日本語の映画のレビューって、圧倒的にアマゾンが多いんだけど、それやめた方がいいよね。あそこではあくまでDVD商品のレビューをすべきだと思う。こんな特典映像入ってたよとか。映画の批評は別に専門サイト(みんなのシネマレビューとか)あるんだから、そっちでやろうよ。現実問題、閲覧者数がダントツなのはアマゾンなんだからしょうがない? そおすか。はいはいすんません。(ばーか)