はてブを見てると、ブログでは著作権法に関して、やれ私的録音録画補償金が何だとか、やれ貸与権や公貸権が何だとか、やれ引用だ盗用だとか、かまびすしいけど、そもそも著作権系ブロガーは、著作権法を知ってるのだろか。
ということで、著作権法についての五択問題です。
〔12〕著作者人格権に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1法人甲の従業員乙が職務上作成した資料であり、かつ、甲の著作名義で公表されたものであっても、当該資料の著作者人格権は、常に乙に帰属し、甲がこれを取得することはない。
2甲が書いた小説を、翻訳家をめざす学生乙が翻訳し、その翻訳物に原著作者として甲の氏名を表示しないことは、乙がその翻訳物を自己の家族である丙以外には見せなかったとしても、甲の氏名表示権を侵害する。
3甲が書いた小説について、出版社乙が、その小説がより売れるようにタイトルの一部を勝手に変更して出版する行為は、当該タイトルが著作物性を有しない場合であっても、甲の同一性保持権を侵害する。
4甲が乙に対して、絵画が完成したならばそれを公表することについて承諾していた場合、その絵画を甲が完成する前に、乙がその絵画を無断で公表しても、甲の公表権を侵害しない。
5甲と乙との共同著作物について、丙がこれを翻案することは、丙が乙から同意を得ていたときには、甲の同一性保持権を侵害しない。
〔19〕著作権に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1絵画の著作者は、絵画の所有者が絵画を転売して利益を得た場合には、補償金の支払を求めることができる。
2私的録音録画補償金の支払がなされていないCD-R(コンパクト・ディスク・レコーダブル)に、家庭内で、著作権で保護されている音楽を音楽CDから複製すると、個人として楽しむ目的であっても、著作権を侵害したことになる。
3画学生が、絵画の勉強のために美術館で現代作家の絵画を模写した場合、その模写をデジタル写真撮影してウェブで公開しても、当該現代作家の絵画の著作権を侵害することにはならない。
4正規に購入したコンピュータ・プログラムの欠陥を勝手に修正しても、当該プログラムの著作権を侵害したことにはならない。
5改変自由な条件でインターネットを経由して広く無償で配布されている、いわゆるオープンソースのコンピュータ・プログラムは、著作権で保護されていない。
〔34〕著作権の存続期間に関し、次のうち、最も不適切なものは、どれか。
1映画の著作物の著作権の存続期間は、当該映画の著作物が創作後70年以内に公表された場合には、公表後70年である。
2出版社が、その発行する雑誌において、その社員であるカメラマンが撮影した写真の著作物を、出版社の著作名義で公表した場合、当該著作物の著作権の存続期間は公表後50年である。
3匿名で小説を出版した銀行員が、その出版の後50年以内に、本名を著作者名として当該小説を出版し直した場合、その小説の著作権の存続期間は、著作者である銀行員の死後50年である。
4映画の著作物の著作権の存続期間満了後であっても、当該映画の原作小説の著作権の存続期間が満了していない場合、当該映画のDVDを製作するためには、原作小説の著作権者の許諾を得る必要がある。
5出版社が、雑誌にその著作名義で連載していた、その創業者の伝記を、未完のまま休載し、5年後に連載を再開して完成させた場合において、休載前の部分についての著作権の存続期間は、休載前の最後の回の公表後50年であり、連載再開後の部分についての著作権の存続期間は、最終回の公表後50年である。
〔54〕著作権に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1工作機械が著作物とならない以上、工作機械の設計図も著作権では保護されない。
2ある県の県庁が作成した県民への広報用のパンフレットは、著作権で保護されることはない。
3裁判において証拠として提出するために他人の論文を複写することは、その論文に関する著作権の侵害となる。
〔58〕著作隣接権に関し、次のうち、最も適切なものは、どれか。
1オーケストラのコンサートにおいて、楽器の演奏を行った者は、それぞれ実演家として著作隣接権を有するが、楽器の演奏を行っていない指揮者は、著作隣接権を有しない。
2放送事業者は、その放送を録画した複製物を貸与する権利を有する。
3サッカーチームの運営会社が、テレビで生放送されている試合を直接受信して、大型スクリーンを用いてスタジアムでサポーターに鑑賞させても、その放送番組が著作物の要件を満たさない場合には、放送事業者の著作隣接権を侵害しない。
4実演家は、音楽CDに録音されている自身の演奏が放送された場合には、当該音楽CDの録音に対して許諾を与えていたとしても、二次的使用料を受ける権利を有する。
5レコード製作者の権利がレコード会社と実演家とで共有されている場合、レコード会社は、その実演家の同意を得ることなく、自己の持分を譲渡することができる。
http://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/h20benrisi_tan.htm