ひどいことを言われたり、されたのかもしれないけれど、相手のことを心の中で「死ねよ」と思ったり、どんな風に死んでほしいのかなんてことを妄想しているなら、あなたはあなたが嫌っている相手と似たりよったりだと思う。あなたと相手とは、嫌だと思う相手をいじめる行動に出るか出ないかの違いしかなくて、もし立場が逆転すれば（あなたの方が相手より腕力や見た目や頭脳や権力があったのなら）、あなたはあなたをいじめた人と同じことをしそうだからね。

こんなことを、弱っているあなたに言うのは酷かもしれないけれど、弱っている根本的な理由はそういうところにあるんじゃないかと思うよ。「ひどい」ことをされたと思うだけなら、まだ良いけれど、それを自分の記憶の中で何度も思い返して、さらに色んな仕返しのイメージまで膨らませて、怒ったりおびえたりを繰り返しているでしょう？そんなことしたら、あなたはますます弱るばかりなんじゃないかなあ。

相手が言っていることや、やっていることを「ひどい」と思うのは実は自分だ、と僕は思うよ。できごと自体に「良い」も「悪い」もないんだ。「良い」とか「悪い」とかは事実じゃないの。そのできごとを観察している人によって変わる解釈。たとえば人と殴りあうのが楽しい人もいれば、つらいだけの人もいる。あなたが、たとえばの話で出してくれた「死ね」と言われることについても、自分次第で「ひどい」と思わないでいられるようにもなるんじゃないかな。少なくとも相手は自分が発した「死ねよ」という音について、あなたほどは「ひどい」と思っていないと思う。だから、全ては自分の解釈次第だと思って何を言われても平気でいること、建設的に解釈しなおすことは、自分が今「ひどい」と思ってるできごとに対処する、根本的な解決策のひとつだと思うよ。

もう少し表層的な解決策をいうなら、相手にひどいことをされないためには、腕力や見た目や頭脳を磨いたり、権力を持つこと。いじめられたら、すぐさま手痛くやり返すこと。かなわないなら逃げること。これは根本的な解決にはならないけど（どこの世界にも自分より強い人や偉い人はいるからね）、とりあえずの方法として、当面はいじめられなくなるし、自分に自信が持てるのが良いところ。学校を転校するのも手だし、今までの知り合いが誰もいない習い事を始めてみるのもいい。自分ひとりで勉強して大検をとったり、体を鍛えてみたり、ファッション雑誌を買ってきて身だしなみに気を使ってみてもいい。そのためのお金がなければバイトに行けばいいし、親に相談してみてもいい。