2007-11-05

軽くソースロンダリングの指摘

ブクマで人気だから読んだのだが

違法ダウンロードされたほうがCDは売れるの法則が判明

著作権違反の違法コピーやそれらをネットで手に入れる違法ダウンロードが問題になって久しいですが、音楽業界にとってはいささか衝撃的とも言える調査結果が発表されました。

違法ダウンロードをしてる人ほど音楽CDをたくさん買っている、というものです。

ところが記事でも元ネタと紹介しているカナダ政府委託調査に関する日本語でのエントリーカナダ政府委託調査:ヘビーP2Pファイル共有ユーザほどより多くのCDを購入」では

P2Pダウンロードを行っている層で評価すると「(中略)P2Pファイル共有はCDの購入を増加させる」。

カナダ全体の集団の分析では、P2Pネットワークからダウンロードされるファイルの数と購入されるCDとの正の関係も、負の関係も見られない。

とあるように、この調査では大きく2つの論旨が導き出されている。

したがって

「違法ダウンロードされたほうがCDは売れる」という表題の表現までには飛躍があり、しかしすぐ後に「違法ダウンロードをしてる人ほど音楽CDをたくさん買っている」と表現こそ似てるが因果関係相関関係を入れ替えた全然異なる言い直しをしていることから誤解に誘導する意図があるのが分かる。

想像するに音楽ファンは興味があるからいろんなものをいっぱいタダでダウンするけどCDもたくさん買うのだろう。しかし一方で全体に影響がないということはCDを買う予算はあらかじめ決まっていて購買はその範囲を出ず、リサーチのためにP2Pを利用していると想像できる。

プロモーションとしては有効かもしれないが、売上げを伸ばすとまで言うのはアジテーションというものだろう。嘘をつくと己に帰ってくるものだ。だからP2P未来を思うなら嘘をつくべきではないと思うのだが。

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