2007-03-20

ハーフ転校生が来た

中二のとき、オーストラリアからハーフ転校生がやってきた。

彼は英語ペラペラ話し、ギターピアノバリバリ弾き、短距離走は誰より早く、端整な顔立ちをしていた。

その上大いに謙虚な性格で、元々日本にいた連中を立てて学ぼうという姿勢がはっきりしていて、

知る限り僻まれ妬まれということはなかった。彼はあっという間に「あの楽しそうな人たち」の

中心人物の一人になった。

 

彼は、優等生という枠から出られず、プライドは高いが失敗を恐れて、馴れ合う友達を選んでしまうタイプの俺とも、

あまりにもすんなりと打ち解けてくれた。彼経由で仲良くなった友達も多い。彼のおかげで

カラオケに行けたり、美容院に行くことになったり、どれだけ中学生ライフ楽しいものに変わったかわからない。

彼はグループとか派閥とかをあまり深く意識せず、誰にでも仲良くしてくれるタイプだった。正直どれだけ

彼に憧れ、感謝したかわからない。それから彼はあっという間に俺にとって一番よく話す友達になった。

 

9月のある日、部室のベランダに彼を見つけたので、彼とおしゃべりでもしようと近づこうとしたとき、

女子にそれを止められた。「空気読めよー」。彼は学年中のマドンナ的な女の子と何か楽しそうにしゃべっていた。

なんとなく「あいつ告っちゃえばいいのに」なんて軽く言ったら、「何言ってんの。あの二人つき合ってるよ。」

とその子に目を丸くされた。

 

割と有名な事実らしかった。夏休みが入る直前くらいからつきあい始めて、

数回東京デートしに行ったこともあったそうだ。そういえば彼は夏休みに、「来週東京に遊びにいってくる」なんて

言ってたり、夏休みに入ってから、やたらと他のやつらにニヤニヤされながら絡まれていた気がする。

 

うちの学校では「つき合っているカップル」はいなかったか、極めて少なかったのに、彼はいともたやすく

恋人を作ってしまった。そして相手は俺も密かに憧れていたマドンナだった。そして彼はどうやら何人もの友達に

つき合いだしてすぐにそのことを話したそうなのに、俺の耳には入っていなかった。一ヶ月以上もの間。

 

彼はやっぱり「あの楽しそうな人たち」の一人で、俺はそうじゃなかった。俺は最初から何も変わってなかった。

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