2015-09-17

雨の日に銀座松屋へ買い物に行った。

夜が増す時間に、通りが色を失わないのは

すれ違う人が差す傘がカラフルからだ。

地元埼玉なら、透明か白の脱色したような百均傘で街は溢れているか

この光景にはならないだろう。

ショーケースの自分の姿を見て、スーツの膝あたりがよく光るのに自然と目が行った。

安い化繊製を履き続けると、自然と擦り切れて光沢を放ち出すのだ。

そう気付いて、ひどく居た堪れない気持ちになった。

色が付いた傘なんかにお金を出す余裕もないくせに、ここにいていいのかな。

肩を自然と竦めながら早足で有楽町まで歩いた。

線路下のカレー屋ふくいちに入る。

外人店員さんに声を掛けられて、自然と押し殺していた息を吐いた。

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