日本科学未来館で、『地球』の下にある
カーペットが敷かれて寝っころがられるスペースって
すごくいいアイディアだと思った。
全球規模の気象現象をぼんやりと眺めながら、
時々巡ってくる日本列島の、あの緑色の一 片隅で
いま俺はこうやって寝てるんだ。自分ってなんて小さい。
でもこのちっぽけな存在に彼女の掌が宿す命は
なんて暖かいんだろう。
この感覚が分かっただけでも六百円の入場料は決して惜しくなかったな、など
考えてたら本格的に寝こけて、生返事を返して一向に動こうとしない自分に焦れたらしい彼女に
足裏でぱたぱた顔をはたかれた。
彼女は俺の寂寥感なんて分かってくれないことが、こういう時はちと残念だが、
でも普段は嗅がない靴下の仄かな香りにムラムラして、うん、やっぱり幸せだったよ。
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