夕方に届いていたiPhoneのメールを見た時、体中の力が抜けてしまった。
そのままトイレに行って、夕飯は全て吐いた。
食べていることが気持ち悪くなって、胃液しか出ないのに吐きまくった。
頭をどうやって整理したらいいのか、全く自己制御できなくなっていた。
あの細くて柔らかい髪も、真っ黒できれいな瞳も、物静かな喋り方も、全て脳に焼き付いている。
それを知っても、嫌いになれなかった。
私の立場を利用しようと近づいてきたことも知っていた。
彼を愛していたから、そんなことは気にならなかった。
これから、どうしよう。
どうしようどうしようどうしたらいいの。
何を支えに生きたらいいの。
彼がいなくなって、どうやって生きたらいいの。
どうしよう。
ちゃんと歩けない。
頭が回らない。
現実なんて見たくない。
仕事なんかやめて、探しに行かないと。
まだ生きているかもしれない。
本当は死んだなんて嘘かもしれない。
また私の頭を撫でてくれるかもしれない。
死んだことが受け入れられなくて、誰にも言えなくて、矛盾した感情ばかり押し寄せてくる。
この雑誌で彼と知り合ったのに、これから仕事なんてできるのだろうか。
もう嫌だ。
小説だと信じたい。