2007-02-01

題名:調律師はお腹が減った。ようるすに適当

携帯電話のなめらかさを口にした瞬間とろけそうで怖かった。

俺の兄ちゃんはティッシュを食ってた。

何かこのままじゃ駄目だと思って、俺は走り出した、ドアを突き破った。空まで飛べる。ジェット噴射。

いける、このままいける。誰だって抱ける。わかってくれるかこの気持ち。いける。俺はいける。やれる。

ドアから飛び出してすぐに左に曲がる、階段を下りる、降りる、降りる、下りる、四階分、いや、ここは四階だ、三回で充分だ。あぁ、じゃあここは、ここは一体どこ!!

目の前には目玉焼きが転がっている。なんて酷い有様だ、俺は目を伏せた。なんだかやばいところに着ちゃったみたいだ。

だから、単純に僕は梯子を上がった。目の前に梯子があったから。理由なんて要らない、そうだろ?

アパートから出たらそこは東京都T区なんとかなんとかで、目の前にはラーメン屋。ありふれた光景。俺はそのラーメン屋一度しか使ったことが無い、いや、あそこは中華料理店なのだろうか。

出前を配達している、目の前のアパートにも配達してくれるのだろうか。俺はまだ家から出ることが出来ないから届けて欲しい。俺は安全地帯から一歩も抜け出すことが出来ない臆病者だから中華料理屋の助けが必要だ。そうだろ?

いいか、よーく聞くんだ、そこを左に曲がって、もう一回左に曲がって、高低差5mほど距離にして40mを駆け抜けろ、その先に高低差8.5m距離にして5mの階段がある。そこは駆け抜けなくていい。お前にはまだ危険だ。

そこを上った先がゴールだと思うだろう。そう、ゴール。

大いに結構、大いに結構、昼下がり。会いたいね。出目金がこっちを向いて笑ってる。

俺は知らないだろうけど、お前はいい奴で。チョコレートくんない?と言えばくれる。俺は泣きそうになる。何で俺の為にそこまでしてくれるんだ。

うおおお

ここだけの話、俺はゲイじゃない。それだけは知っておいて貰いたかった。

わかるか、この世界の半分は結構いい感じになれるポテンシャルを持ってる。お前次第だって昔父さんから言われたことを思い出した。

トリケラトプスが好きだった俺の少年時代。でもプテラノドンも捨てがたく、ザク人形だってTDL人形だって大事にしてた。

左に曲がるとそこは海だった。とても眺めのいい風景で、風も少し強いが心地良かった。砂には少し貝殻がまじっていた。

隣には女、その隣には白い服をした執事。俺の手にはチョコレート。でも熱いからもう大分溶けている。でもそれでよかった。

俺の物語は終わらない、俺が打ち続ければ止まらない。

あ、いいなこれ。

海の深いとても下の方で、青い青い。泳げ泳げ。君よ泳げ。

それだけだ、世界は君のすることの全て。それだけ君は美しい。灯火のある方へ帰ろう。君は十二分に持っている。君は美しい。天真爛漫にずっと笑っていられる。そしてそれが素敵だ。

俺の物語は終わらない、俺は絶対にやめない。俺はガムと一緒にチョコレートを食べることを絶対にやめない。

無駄だっていわれようと、絶対にやめない。俺のそれは俺の兄ちゃんがするティッシュを食う行為よりは愚かではないはずだ。

排水溝の溝のあたりに俺は今転がってて、拾う奴なんていない。汚いからだ。あと、見た目も悪い。

それに恥ずかしい、俺はもう排水溝の溝のあたりに転がってる人形だから、それ以外になったらどうしていいかわからなくなる。

俺は排水溝の溝のあたりに転がっててそういうものだと思ってる、だから、どうしようもない。

でも雨が降ると、俺はたまに泣く。なんなのだろうと泣く。ここにいることの辛さに泣く。

煙たいバーで本を読んでいたその日、保安官がやってきた。おい、ここの責任者は誰だ。お、俺です。

お前か、最近話題のガンマンは。誰から聞いた。疾風ジェフか?そうだ、奴から聞いた。Shit!俺はそう言い切った。

保安官の一人を俺の自慢のマグナムで打ち抜いた(もちろん眉間だ)俺はふーっと銃口を吹くと猫になっているのを感じた。

この毛やわい。ひげ、長い。我輩は猫。

猫猫。うー可愛い。

そう俺は、何も持っていない。君たちの何千倍も持っていない。何万倍も持たない。何も。持ってるのは借金と醜い姿態だけ。

ここから俺は何かが変わってしまう。化粧水を拭って、セロリジュースを飲み込む。

神は君たちにも俺にも何も与えなかった。いいか、だから俺はお見通しだ。

君たちは俺が大好きだ。

いいね。わかったね。

赤黄緑青紫橙朱藍紺空

どうしたら勝てるのかとかそんなことしか考えられない。

いつまで立ってもそんなことしか考えられない。

別にもうなんでもいいからいつでも笑いたい。

全てを笑い飛ばしたい。

腹の立つ願望だ。

全てを笑い飛ばしながら且つ情熱的にやってみたい。

どうせもうおかしい。たぶん、俺の嫌いなものは全部おかしい。

たぶん、それで問題が無いと思う。どうでもいいことだ。

何したってもう大体笑えることになる。せめて。

せめて羽を持たない鳥がそれでも笑えるようにしてやりたい。そんな気持ち

眼もなにもかも閉じて

目の前のことは全てどうでもいいことだから。

仮初のお祭りごとは他に任せておけばいい。恍惚と踊れる人間だけは特別だ。

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