黒縄(こくじょう)地獄
殺生、盗み。
殺生のうえに偸盗(ちゅうとう)といって盗みを重ねた者が、この地獄に堕ちると説かれている。
等活地獄の下に位置し、縦横の広さは等活地獄と同じである(以下、大焦熱地獄まで広さは共通)。鬼は罪人を捕らえて熱く焼いた縄で身体に墨縄をうち縄目をつけ、これまた熱鉄の斧で縄目の通りに切り裂き、削って恐怖と激痛を与える。また左右に大きく熱した鉄の山がある。山の上に鉄の幢(はたほこ)を立て、鉄の縄をはり、罪人に鉄の山を背負わせて縄の上に登らせ、そのまま渡らせる。すると罪人は縄から落ちて砕け、あるいは鉄の鼎(かなえ)・釜(かま)に突き落とされて煮られる。この苦しみは先の等活地獄の苦しみの10倍である。人間界の100年は、六欲天の第二の忉利天(とうりてん)の一日一夜である。その忉利天の寿命は1000歳である。この天の寿命1000歳を一日一夜として、この第二の黒縄地獄における衆人の寿命は1000歳である。人間界の時間では13兆3225億年に当たる。