泣き叫ぶ幼子を抱いた男が電車に乗ってきた。
幼:「いやだいやだ、のらないのらない...」
父:「ほーら、静かにしないと。」
幼:「いやだいやだ、のらないのらない」
電車は動き出す。
幼:「いやだいやだ、のらないのらない」
父:「もう降りるよ」
幼:「いやだいやだ、おりないおりない」
父:「...」
幼:「いやだいやだ、おりないおりない」
一駅だけ乗って降りて行った。乗り換えの駅だったのかもしれない。
もしかしたら、近くの病院に連れて行くところだったのだろうか。
幼子は病院が嫌で、医者が嫌で、必死で駄々をこねていたのだろうか。
(うっせーのが乗ってきちゃったなー。)と思っていたが、
思いは直ぐに変わり、「幼子が可哀想だ」から「父親が可哀想だ」になっていた。
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