2015-07-08

自分メモ

僕、店やってるでしょう、そうするとね、十人来ても、店を気に入ってくれる人は一人か二人だものね。あとはたいして気に入らないわけ。どうでもいいと思う人が五、六人かな。あとの三、四人はやっぱり、いやな店だ、もう来るもんかと思うわけ。<中略>十人に一人、また来ようかなと思った人がまた来てくれれば、店というのは、商売がじゅうぶん成り立っていくわけです。店を始めてね、いちばんに感激したのはそれですよね。十人に一人でいいんじゃないかってさ。これは感動ですよ。小説もそれと同じなんじゃないかなと思う。書けば書くほどさ、悪意を持つ層が拡がっていくわけじゃない。気に入ってくれる人が十人に一人ずつ拡がっていくと、それ以上に悪意を持つ人が十人に三人、四人と広がっていく。(P85)

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん