自分は中学2年の時、初めてテスト勉強が深夜になっても終わらなくて、ふと休憩にテレビをつけたのが二次元趣味に走るきっかけだった。
それから6年間、金銭的に低燃費なライト隠れオタを細々と続けてきて、漫画とかアニメとかゲームとかラノベとか、自分の一部だと信じていて、
このまま、ただ出てきた物を貪っているだけで、それなりに楽しく文化的な生活が送れるものかと思っていた。
現実が気を病むレベルで満たされていない分、ファンタジーでも恋愛でも、サスペンスでもミステリーでもSFでも物語が好きだった。
登場する人物というかキャラクターが好きだった。
それこそ、最初のころは一日中空想に想いを馳せ、向こう側に行くことを夢にしてしまうくらいに。
話の出来は悪くなかったはずだし、感動したはずだった。
ハッピーエンドだ、悪くない。そもそも物語に点数はあまりつけない方だし、大抵は楽しめる。
話が終わった時に自分が置いていかれるような、自分が置いていくような、寂寥感みたいなものはいつでもあった、それが今度は無くならない。
それとは別に、気持ちがついてこなくなって、話が終わってからメシを食えば、トイレに行けば、歯を磨けば、風呂に入れば、それだけで空想から現実に一発で戻ってしまう。
二次元に対する情熱は最初ほど大きくはなくても、6年間で根付いていたはずだった。
それでもそのまま、空想と現実が離れていってしまった。大切にしていた数少ない漫画もラノベも画集もいまは薄汚れたダンボールの中。
6年もずっと続いていたものが、こうも急に無くなるとは思わなかった。
今日から新しいアニメが始まるというのに、もう録画する気にはならない。
そのうち誰かが夢見る機械を作ってくれることを祈りながら。
安心しろ、それは本当の意味でオタじゃなかっただけだから。 単にそれらの疑似体験が手軽だっただけだから。 その程度の距離感の奴を一杯知っているし、コミュニティにいることが目...