2010-03-24

サードパーティWiiソフトが売れない理由を少し考える

ニンテンドー3DS(仮)が発表になったから、という訳でもないが、表題の件を少し考えてみたいと思う。

よく言われているのは、「Wii前世代並みのスペックで低性能だから」という理由。確かにそれはあるかも知れないが、一応、PSPよりも遙かに性能が劣っているDSは、サードパーティの作品がそれなりに売れていた(る)。DSの次世代マシンが発表された今だと、DSソフト全体の売り上げが落ち気味なのは仕方が無いとは言え。

ということは、多分、複合的な要因でサードパーティWiiソフトは売れていない、ということなのだと思う。

一つ思うのは、Wiiというマシンが「あまりにも割り切った設計思想だったから」という面があるような気がしている。

何が言いたいかというと、DSだと、もちろん、タッチパネルという新しいインターフェースがあったとは言え、十字キーがあり6ボタンがあった。つまり、従来のインターフェースも残しておいた。インターフェースを完全に革新しなかった。設計思想を完全に割り切らなかった。

ここで思うのは、もしアップルならば、完全に割り切っていただろうな、と思うのだ。美しいデザイン、良いデザインというのは要するに思想的に割り切ったデザインであるから。しかしながら、一般的に、市場メインストリームになる商品は、割とDQN的野暮ったさのあるデザインの商品が多かったりする。もちろん、iPodなどの例外はあるけれど。

当たり前かも知れないが、トガった思想というのは、理解できる人間が少ないからトガった思想なのであって、それほど感受性に優れている訳でもない普通人間は、割と「安全な(保守的な)」デザインを選ぶのではないかと思う。Wiiの本体デザインは「お母さんにもやさしい(だっけ?)」という保守っぷりだったが、サードパーティには従来のゲームの延長路線の否定という、割り切りぶり・トガりっぷりを要求した。

だから、せめて、従来路線のコントローラも標準装備して、HDモードもありますよ、という「煮え切らなさ」が残っていれば、多少状況も変わっていたかも知れないなあと妄想してしまう。

3DS大丈夫そうだが、PSP goが失敗したソニーPSP2にせよ、ちゃんと割り切るべき所と、残しておくべき所(の見せ方)を意識した方が良いかも知れない。現実が複雑である以上、完全にきれいなデザインを目指すというのがそもそも不自然なのだ。アップルにせよ、一見、大胆に割り切ったデザインに見えるというところが凄いところなのであり、煮え切っていない部分が目立たないだけなのかも知れない。

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