とりあえず、これ作った人、すごいわ。
まず、誤解の連鎖。
登場人物が持ってる情報がそれぞれバラバラで、その足りない情報をもとに登場人物が行動してる。
これだけ複数の視点(人間)が動いてるってすごい。
そんで、その登場人物がそれぞれ別な精神構造をしている。勇気とか花山院先輩とか姉貴とか黒田とか。
だいたい全員の行動動機と実際に取る行動の選択が違う。
でもって、個人的に好きなのが、その精神構造(というか未熟さ)の悪い面が出ていること。
しかも、最初は割といい感じに書かれてる。
例えば、言葉(クロスの感想としては違うけど)とか、「幸運にも」同じような一途な人と出会えていたら、ベタな感じで終わる。
ところが、このゲームではそうならない。現実でも、恋愛感情が1年程度で薄れるのは良くあること。男女とも。
誠は世界の方に行ってしまって、一途ゆえに振られた現実を見れないという精神の脆弱さが出てしまう。
個人的に、ここから読み取るべきなのは、「処女めんどくさい」だと思う。ついでに、処女をありがたがるプレーヤーへの皮肉。
・・・実際には、誠がスケープゴートになってしまうから、プレーヤーは言葉側の未熟さ・問題点を直視しない。言葉様に共感しまくり。
片思いで不安な乙女に誠から相手をされていない嫉妬乙といいつつ、自分も世界を不安に思っている。
要は「私は相手にされてるんです。」と言って、「私はあなたと違うんです」アピールをして安心しているだけ。
これも直前の乙女が嫌なやつだから、プレーヤーは言葉の未熟さには目が行きにくい。
振られた事がないから、振られることを極度に恐れる。
だから、勇気が謝ってるのに、信用しない。誠とイチャイチャして、勇気を試す。
これ、絶対「私と○○、どっちが大事?」と言い出すタイプ。
実際は男女関係なく振られる人はいるし、それで人生終了でもないのに。
・・・これまた誠がスケープゴートになってしまうから、プレーヤーはまた路夏の未熟さ・問題点に目が行きにくいけど。
スケープゴート誠がいる限り、気付かないんだけどね。