2010-02-28

魚を焼く網を洗っていたら母親に「ねぇ高校を卒業してもずっと連絡取り合って仲良くしたいような友達はいるの?」と聞かれた。私の嫌いな質問。「もうそれ聞かれるの10回目くらいなんだけど。なんなの?」とイラついた声で答えて、その苛々がずっと残っているので書く。

母は、私に友達がいないことを心配しているんだと思う。私が日曜に友達と遊びに出かけないから、修学旅行行きたくない駄々をこねたから、卒業式後の祝賀会には行かないと言ったから。私は、友達とそういうことをしたいと思わない。同級生の間で共有される感動なるものが好きじゃない。それでそういうことをしたいと思える友達は確かにいない。

それでも「友達」がそれなりにいるのは、「友情って素晴らしいね」という空気、というかその結果の「友達がいないなんて可哀想」という憐みを、私のプライドが許さなかったから。馬鹿馬鹿しいと時々思う。馬鹿馬鹿しいし、誠実じゃないし、酷いことをしているし、薄っぺらい。だから好きじゃない。世間の有り様にも不満があるし、だけど自分次第だったのはもちろんそうで、心根の優しい人に囲まれて、私とも友達になってくれた友達に、申し訳ない。

ひとりで居られる人間というのは実在するんだよ。友達と遊ぶよりひとりで本を読んでいる方が楽しいというのの、なにがいけないんだろう。それは別に、友達が嫌いだとか本の方が大切であるとか、そういう意味じゃないのに。「なにも悪くないよ、そうすればいいよ。」と、だけどそれを、見捨てるような疎外するような、冷たい口調で言うんだから嫌になる。

思うに、趣味が合わないというのは恐るべきことだ。誰も悪くないから。私が友達を作らなくたって誰も私を責めないし(実際、恵まれた環境で、仮に友達を作っていなくてもイジメに遭うようなことはなかったと思う)、作るなら作ればいいし、友達を作らない私と友達になりたがらなくたってもちろん、構わないし、友達のいない人間に対する感想というのを個人的に持つのだって当り前だ。そういうわけで私は責めるべき対象を持たずに、ただたださして好きでもない友人との薄く狭い関係と思い出があって、一体どうすればいいのか分からない。

もうすぐ大学生になるのだけれど。友達、欲しいけど。友達という概念や空想の中の人物なら大好きになれるのに、実際の友人を思い浮かべるとなにか違う。完璧人間を求めているつもりはないし、友達、ひとりひとり好きだけど、そう、好き、なんだけど、だけど嫌だ。どうしたいのかも分かんない。誰かに傍にいてほしい時というのはある。そんなときに呼べる人がひとりいればいいのかもしれないし、あるいは友達の良さを理解できていないのかもしれないし、友達というのはこういうもので、他の誰もがそれを当り前のこととして受け取って付き合っているのかもしれないけれど、私、なにが不満なんだろう、ひどいのはこっちなのに。

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      • 20100228205021を書いた増田だけど(元増田とは別人だよ)、どうしてそういう結論になるのだ。 自分としては無理せず気楽に付き合える相手もそのうち見つかるよ、 って気持ちがまずあっ...

        • トラックバックしても、まさか反応が返ってくるとは思わなかったから、伝える為の言葉が足りな過ぎた 「気持ち悪い」と書いたのは、ちょっと別のニュアンスでもって言った失言だっ...

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