書き上げるのが面倒になった。これじゃ論旨もわからんね。
とりあえず無意味なすれ違いだけあぶり出したいというのが趣旨。続きはいつか書くかも。
ミニスカートを穿いたら、レイプされても仕方ないか。答えはノーだ。
ミニスカーをを穿いたら、女性にレイプの責任の一端があるか。答えはノーだ。
ミニスカートを穿いたら、レイプされる確率があがるか。答えはわからん。
むしろ地味な格好をした女の子がねらわれる、という話もある。
ナンパしたらすぐヤラせてくれそう→意外とガード固い→でもいいやヤっちまえ。というケースも多くあるんじゃないかとも思う。
挑発的な女の子の格好を見てムラムラし、地味な格好の女の子を狙う、というケースもあるのかもしれない。ともかく、統計上の数字がないのであれば、自衛策なんてのはケースバイケース、他人のアドバイスはすべて眉唾だと思っていた方がいい。
ミニスカの女性を見たぐらいで男が興奮するかどうかというのは、これまた男次第。性欲の強さや免疫も関係してくるだろう。
この手の議論で気を付けたいことをいくつか。実際に性犯罪が起こっている現実を指し、男性の危険性を示唆する意味で「男は獣」ということばを持ち出してしまうことがある。これは「男性は獣だから、性犯罪を起こしても仕方がない」という性犯罪者擁護ととられかねない。性犯罪者擁護はセカンドレイプかつ性犯罪者予備軍声明となる。もちろん多くの人は、性犯罪者を擁護する意味でこのことばを使ってはいない。自分の使っていることばに鈍感なだけだ。
さらに「自衛」ということばを持ち出した地点で、「悪いのは性犯罪者ではなく、自衛をしない女性だ」という性犯罪者擁護+正被害者攻撃になる。当然セカンドレイプかつ性犯罪者予備軍声明だ。そもそも、この「自衛」というのは少なくともこのケースでは「自分を守る術」であって、自由であり強制されるものでもなければ、怠ったことで責任をとらされる性質のものであるはずもない。
「誘拐されちゃうよ」と、子供の行動を制限するのとは意味が違う。
夜中にひとりで出歩くのは僕でも怖い。性犯罪だけじゃない。僕は僕の選択で、夜中にひとりで外を出歩かないようにする。しかしもし夜中にひとりで出歩いて暴漢に会い、ボコボコにされた挙句有り金を全部奪われたとして、自衛が行き届かなかったのが悪かった、とは思わないだろう。悪いのは暴漢だ。悪いのは暴漢で自分ではないが、自衛策をとる。それは単なる僕の選択だ。
もともとなにを論じるまでもなく、性犯罪者が悪いことは自明だ。この自明さが、「加害者側に焦点の当たらない理由」である。論じるまでもないことを論じるのは難しい。性犯罪者が悪いことは自明である故に、とうぜん法規制もされている。
誰かが「性犯罪って悪でしょっ!」と言ってみたところで、多くの場合その呼び掛けにたいする答えは「そうだね」となる。しかし「そうだね」と答える中の数人が、正論をぶっちぎって性犯罪を犯す。性犯罪が起こるのは、性犯罪が悪いという認識が一般的に浸透していないからではない。ではなぜか。悪人がいるからだ。
……一つ、問題があるのは、極小数の困った男がレイプを「元気があっていい」と発言したりすることだ。しかもこういう発言をする人間はやたら声が大きいし、目立つ。
こうした認識を男性が多く持っていると思われるのは心外だ。
ところでみんなは何を議論してるんだろう。
社会的な取り組みとしての「性犯罪を減らすにはどうしたらいいか」ということに関しては、これはもうほぼ先進国では全世界的に手詰まりなんじゃないかと思う。社会全体として被害者の自衛を促す方に行くと、逆に性犯罪は増えるんじゃないかという気もしている。あるいは、男性と女性を完全に隔離するといったような、そういう極論しかなくなる。
最初に言い出した方が悪い――と言いたくもなるが、極論合戦はたいてい論旨のすれ違いからはじまる。
名指ししてあいつとあいつとあいつが悪い、とは言えるけど、それも本質ではないと思う。
ところで、上司に「なんでそんなに仕事できないの?」と訊かれたときに、「頭悪いから」という答えるのはおそらく得策ではない。なぜならこの上司の質問は、単に「仕事できねーなおまえ」の意味のことばでまったく質問ではないからだ。
同様に、男性が女性に「なんで痴漢は減らないんだろ?」と訊かれれば、それはもちろん質問じゃない。これは単に悪者を糾弾していることばだ。
だから「ちょっと待って……うーん、君は少し挑発的な格好をしてることが多いから、それをやめたら痴漢にあわなくなるかも?」なんてのは見当違いも甚だしい意見だ。
こうした場合、正しい返答は相手によって違うとしか言いようがない。適当に返事をしてもため息をつかれるかもしれないが、しかし真剣に同意したりしてやぶ蛇つっつくよりは、なんでだろうねぐらいのことばを返して、「こんな答え方しか出来ないなんて馬鹿な男だ」と思われるぐらいがちょうどいいかもしれない。
さて、世界的に見ると、女性がその気もないのにいたずらに男性を誘惑する(あるいはその逆)ようなことはあまり好ましくないとしている国が多い。特に保守的と言われていない国でもそうだ。多くの国で、その土地その土地の宗教が根づいていることと無関係ではない。
ミニスカートで出歩くのははしたないし、下品であまり見栄えのいいものではない、という考え方を持つ人もいる。
だが、そうした宗教的、倫理的な問題と、異性に襲われる危険性とを一緒に語る(ようするに曽野さんの論法)のは、あまりフェアな議論ではないと思う。倫理は倫理、宗教は宗教、風紀は風紀で語ればいいじゃない。ちなみに僕は個人的にいえば、女の子のミニスカートって性的に興奮するというよりどぎまぎしちゃうのでやめてくれないかなーって思っちゃうタイプだ。
ヤクザっぽい人とミニスカからは目を逸らすし、ちょっとした不快感はある。これはおそらく、僕がまったくおしゃれしない自由(この自由は、おしゃれをする自由と表裏一体だと思う)を行使して他人を不愉快にさせてるぶんとイーブンだろう。
さて、性別に限らず、人は「好きな服を身に纏う権利」と「ひとりで外を出歩く権利」と「性被害に合わない権利」が欲しい。現行法ではこれらの権利を守ろうとしているが、しかし性犯罪は起こる。
女性がこれらの権利を脅かされていると感じる割合に比べて、多くの男性はこの手のことを身近に感じられない。そこには、少数の男性性犯罪者が、たくさんの女性性被害者を産んでいるという現実がある。
お店は好きな商売をする権利と万引きされない権利が欲しいから、お店に「万引きはダメ」と書く。万引きをしていく客。客が皆敵に見えてもおかしくはない。
厚意かなにか知らないが、「万引きされたくないならこんな商品の置き方をやめなよ」とお客が防犯対策の瑕疵をつっつきだしたら、イラッともするだろう。相手は万引きをしている当人かもしれない可能性もある。感情的になってもおかしくはない。
同様に、男性が女性に「なんで痴漢は減らないんだろ?」と訊かれれば、それはもちろん質問じゃない。これは単に悪者を糾弾していることばだ。 だから「ちょっと待って……うー...
枝葉末節に反応して申し訳ないんだけど、個人的に興味深い箇所があったので教えてくれると嬉しい。 同様に、男性が女性に「なんで痴漢は減らないんだろ?」と訊かれれば、それは...