2009-12-02

ハブ空港論への素朴な疑問3つ

1.首都圏の航空需要羽田4本目滑走路を作ってもスグ満杯になる、

  首都圏は航空インフラが足らない、と「事情通」は語る。

  しかし、本当に将来は需要不足に陥るのか?

  ・日本人口は減少する。

   首都圏といえども早晩減少に転じる。

   よって、国内の移動人口は長期的には減少に転じる。

  ・また、年齢構成も、航空を積極的に利用する

   壮年層(ビジネス層)が減少し、高齢層が増える。

   高齢層は旅行余裕時間はあるかもしれないが、

   金銭的理由から、国内移動において航空利用する率は

   さほど高くないと思われる。

  ・更には、新幹線函館金沢延長により、

   航空利用率は徐々に減少すると思われる。

  という理由により、国内航空需要は、今後減少こそすれ

  増加はしない、と考えるのが常識的判断ではないのか?

  こう書くと「国際線需要は急増するのではないか」と言われると思う。

  しかし、日本人人口減、経済力減により、

  日本人の国外旅行需要は減少するはずだ。

  他方、国外からの観光客流入は、確かに新興国の中間層肥大化により

  増加すると思われる。

  ただ、その場合、単純に首都圏への観光客が増加するというよりは、

  京都九州北海道沖縄への入れ込み客の方も増加する。

  なので、「絶対に需要過多になる」とは言い切れないのではないか?

  国内移動者減少と新興国観光客流入が均衡して、トントン程度じゃないのか?

  それに対して「需要は急増するハズだ」との「予測」に基づき、

  「更なる羽田の強化を」「首都圏第三空港を」と叫ぶのは、

  何のことはない、過大な需要予測に基づき地方道路そして空港

  建設した苦い経験を生かしていない、と言えないか?

  「日本人口は減少する」という前提で、再度首都圏の航空需要を見直した方が良くないか?

  (恐らく「出生率は高位推計で推移」という前提で試算しているハズ。

   現実的には低位推計で推移する可能性が高いので、この辺試算を見直しすべき。)

2.「羽田国際線が少ないから、成田国内線が少ないから、仁川経由の地方空港客が

   増えてしまって、ハブ機能を仁川に取られた」と嘆く専門家が多い。

 

  しかし、仮に首都圏に「国内線国際線も乗り入れている空港」を用意したとして、

  地方空港客はこの空港をどれだけ利用するのか?

 

  「仁川ハブ空港になっている」理由としては、

  「乗り換えが便利で、日本地方空港からも多く就航している」という理由しか説明されていない。

  確かにそれも大きな理由だが、それは「仁川ハブ空港になっている」理由の半分でしかない。

  残り半分の理由は、

  「大韓航空アシアナ航空格安で、仁川経由で欧米に飛んだ方が日系航空会社直行便利用より

   安価だから」じゃないのか?

  逆に言えば、首都圏に「国内線国際線も乗り入れている空港」を用意したとしても、

  そこに就航する会社の運賃が高いママであれば、地方客はそのまま仁川

  利用し続けるのではないか?

3.そして、そもそもの疑問だが、

  「なぜ首都圏ハブ空港が必要なのか?」

  逆に言えば、「仁川空港ハブママで、一体どういう不都合があるのか?」

  この点について、航空関係者から納得行く説明を受けたことがない。

  単に国威発揚的に、「日本にもハブ空港がないと恥ずかしい」という感覚論じゃないのか?

  「ハブ空港がないことによる経済デメリット」を数値的に説明できなければ、

  「世界一スパコンなんて国威発揚でしかない。世界二で充分」という

  仕分け人を支持する世論の了承を取れないのじゃないか?

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