http://d.hatena.ne.jp/mamoruk/20090327/p1
「いちばん」かどうかはわかりませんが、うちの会社の製品ではpythonを主力に使った自然言語処理を含む製品を販売しているので、実際の感想を。
うちでは、pythonを元データの整備のための運用バッチ処理から、客が最終的に手にする情報の生成、実際に客が使うWEBインターフェースまで、pythonを主力にしています。
別のチームが作った別の製品ではS2Struts(JAVAね。)でWEBを作っている部分もありますが。
mecabが使えて、Unicodeが使えて、正規表現が使えれば、まあ、どの言語を使ってもそんなに大差はないのではないでしょうか。
あとはsennaのような日本語用の全文検索エンジンなども使いますが、そこらへんに近い部分は基本的にC++で書きます。
pythonとは言っても、速度を重視する部分はやはり迷わずC++です。
C++で書いたものはswigを使うか、又はC言語で手書きのbindingを使ってpythonに接続します。
でもこないだswigでつないで製品をリリースしたら、WEBからの並列アクセスにswigがうまく対応できず、リリースした日に急いで手書きbindingを書いた経験があります。swigの使い方はきちんと理解していないので非常に難しい。
nltkとか、wordnetの話はたしかに使えそうかもと思ったことはありますが、nltkはうちでは使っていません。
うちの会社では自然言語処理の研究段階から自社で行っているので、nltkにあるようなできあいのルーチンを実戦投入する事はなく、基本的に地味に自分達でpythonで書いています。
自然言語処理と言っても、核心の処理はやはり泥臭い個別事例への対処が多いです。不要語処理とか。
自然言語処理のアルゴリズムは8割程度の精度を出すのは簡単で、すぐに思いつきで書けるものですが、残り2割の精度をいかに埋めて行くかが、頭のいい人とそうでない人の差が現れる部分だと思います。
どうしてもいいアルゴリズムを思いつかない場合は、泥臭い個別事例処理がうねうねと並んだプログラムになります。学術的なものではなく商売になればいいので、うちはとりあえずそれで十分。(これは自然言語処理に使う機械学習のアルゴリズムたちも同様。というか自然言語処理と機械学習て、区分けがあいまいな部分が多いですよね。)
そういう感じなので、pythonの可読性の高さは非常に有効。
また、変数名や関数名などをexplicitに書く文化も業務で使うのに適していると思います。(他の言語でもexplicitに書けばいいだけですが、それを言語開発者自身が推奨するほど強調はしていないですよね。)
英文の処理で、wordnetの辞書データの一部を研究に使った記憶はある。
しかし、あそこまで精緻な辞書データを使う程高度な処理は今の所必要ない。
うちで自作した不要英単語辞書と、特別扱いする英単語辞書で間に合わせていたと思います。(その辺記憶があいまい。)
djangoは非常に明快で、快適。
画面の機能を追加するのに、例えばS2Strutsのアクションの定義の煩雑さに比較すると、天と地との差ほどにdjangoは簡単。
あと、pythonを使える開発者は日本には少ないとの事ですが、うちでもそれは同様です。
しかし、自分の隣の席の同僚はperlに非常に熟達していて、彼はすぐにpythonの達人に変わりました。
優秀な方にとっては言語なんて何をつかってもあまり変わらないみたい。