http://www.eagleeyemovie.com/intl/jp/
最近レンタル開始されていたようなので何気なく借りた。ストーリー自体は、アイザック・アシモフかアーサー・C・クラークが元ネタっぽいよくあるやつなんだけれども、それなりに捻ってあって面白かった。
それにしても、ハリウッド映画における国防総省の登場頻度の高さは日本映画には真似できないレベルだなとつくづく思う。「イーグルアイ」で記憶に残っているものでも、ブラックホーク、F-16、グローブマスターっぽい輸送機などが当たり前のように登場しているし、ペンタゴン上空の映像も何気ない演出で出てくる。中でも無人攻撃機(おそらくMQ-9リーパーだろう)なんて、1、2年前に配備され始めたばかり最新兵器だ。他の作品でも、「ダイハード4.0」や「スーパーマン リターンズ」ではステルス戦闘機F-35が、「トランスフォーマー」ではF-22ラプターやAC-130ガンシップが登場していたっけ。
また、「イーグルアイ」では国防総省が微妙な立ち位置で登場するわけだけれども、こういう作品の存在に目くじらを立てないアメリカのしたたかさが垣間見えるような気がした。あるときは主人公を陥れる陰謀を張り巡らせる機関であったり、逆に主人公をバックアップする心強い後ろ盾だったり、人類存亡の危機に陥れる兵器を流出させてしまう間抜けな組織だったりするのだ。そんな作品を無数に作り出し、大々的に宣伝し世界中で上映させているのだから、それを鑑賞する我々への心理的効果は単なる映画会社の利益を越えたレベルに達しているに違いない。
そうやって「アメリカ国防総省」という存在を、なにやら怪しげで強大で外連味たっぷりな存在であるかのように幻想させる(これはフィクション作品に登場する「CIA」にも言える事か)。世界中の人々がそんな幻想を抱く事を、彼らは意図的に引き起こし、したたかに利用していく。日本のサブカルチャーも、いずれはこういった視野で戦略を立てていく事も求められていくように思う。