2009-02-11

エロ本主義を超えて

非正規労働者雇用問題の影響で最近下火になったものの、一時期「日本若者の意欲が減退している」という指摘が相次いでいた。

 →消費社会における若者労働意欲http://benesse.jp/berd/center/open/berd/backnumber/2008_13/fea_uchida_01.html

資本主義社会ならぬエロ本主義社会のもとでは、適切にエロが配分されることが社会進歩する上で欠かせない。「努力し、成功を収めた者がモテて適切なエロを受け取ることができる」、そんな流れがあるからこそエロ本主義社会は発展する。特に金銭的な価値感が否定されがちな日本では、資本主義ではなくエロ本主義こそが戦後経済成長を支えてきたと言っても過言ではない。だからこそヨーロッパのように「努力エロにつながりがたいストイック社会」を凌駕できたのだ。

しかし今、エロ本主義社会が崩壊しつつある。動画サイトの登場で、努力せずとも低コストで容易に質の高いエロを手に入れられるようになったのだ。かつては大国の支配者でもない限り、100人単位ハーレムを構築することは不可能だった。しかし今日日本では、異性100人分のエロ動画など中学生でも1日で集められる。

質の高いエロコンテンツへのアクセス障壁がなくなりつつあることが、リアルエロへの関心を薄めている。飲み会旅行に行く背景には「モテたい」という感情がうっすらとある。しかし、エロコンテンツへのアクセスが容易になった現在、「エロを求めて、わざわざ飲み会旅行に行くのはメンドイ」と若者が考えるのは自然なことだろう。まして近年では、リアルエロよりエロコンテンツの方が好まれる傾向さえある(「こなたは俺の嫁」)。

低年齢でもエロアクセスしやすくなったことも問題だ。18禁規制や自宅暮らしといった制限から、従来、低年齢層はエロアクセスし難かった。エロが縁遠いものであったからこそ、若者エロを求めて活動的になった。「偉くなりたい」「社長になりたい」という言葉の裏には、「偉くなったらモテるんじゃねーかな」という淡い期待が隠れている。しかしネットの普及にともない、低年齢でもエロアクセスできるようになったことで、そんな出世意欲は減退することとなったのだ。

一生懸命働き、何らかの結果を出してエロを手に入れる」という構図が崩れたことによって、社会の発展に赤信号が点灯しつつある。エロを核に進化してきた人類にとって、これは生物としての転換点でもある。かつて平凡パンチいざなぎ景気を失速させ、エロビデオバブル崩壊を招き、エロサイトがITバブルを瓦解させた。そして今、エロ動画サブプライムショックを引き起こし金融不況を到来させた。資本主義エロ本主義の両輪で回っていた日本社会からエロ本主義が失われると何が起こるのか。 エロ本主義なき日本には、どんな未来が待ち受けているのか。

健全社会の発展のために、エロ格差を。

公共広告機構です。

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