2009-01-10

14才の女子中生を妊娠させた

俺が中3のとき。

女の子にコクられて付き合うようになった。

はじめてだった。

コクられるのも、付き合うのも。

そしてセックスも。

彼女は、それほどマセてたわけではなかったし、特別えっちタイプ女の子でもなかった。

俺もそれまではずっと野球やってた。夏の大会が終わって、はじめて自由になった頃だった。

付き合い始めて、一緒にいる時間が長くなってきて、部屋でいちゃいちゃしたりしてた。

部活がなくなってエネルギーがありあまってたんだと思う。

今思うと、そこで終わっておけばよかったんだけど、若気の至りとでも言うか、ヤっちゃったんだよね。

最初はうまくいかなかったりもしたんだけど、だんだん回数重ねてるうちに、お互い気持ちよくなってきて。

親のいない時間を見つけては、真由美とヤってた。

冬になった頃だったと思うけど、とつぜん真由美が体育の時間中に倒れたって聞いてさ。

どうしたんだろうと心配して彼女の家に駆けつけたわけ。

そしたら、会いたくないって言われて会えなくて。

次の日も、その次の日も真由美は学校休んでて、すごく心配になった。

真由美の家に行っても、中には入らせてもらえなくて。

今みたいにケータイもないし、声も聞くこともできずに、すごい心配した。

そしたら、夜になって真由美のお父さんから電話がかかってきた。

「真由美のことなんだが…」

真由美のお父さんとファミレスで会うことになって、会ったらいきなり、

「なぜ呼ばれたかわかるか?」

なんて聞かれたりして。

真由美のことですよね?それ以外は思い浮かばないんですけど…

なんて答えてたら、お父さんの顔がどんどん赤くなってさ。

「真由美はな、妊娠したんだよ。子供ができたんだよ」

えっ、誰のですか?と反射的に言っちゃったら、バカモン!って怒られた。

まさか、15才で、子供ができるなんて、思ってもなかった。

俺と真由美の子供ができたんだって。

生むんですか?と聞いたら、産めるわけないだろう、おろすに決まってると言われた。

子供は空から降ってくるわけじゃない。ヤることをヤればできてしまうんだ。

私にとって、娘はとても大切で、真由美は空から降ってきた奇跡女の子と言えるかもしれない。

だが、君たちにとって、望んでいない赤ちゃんは、空から降ってきた赤ちゃんではない」

それで感情的になって、

産ませてください!俺の子なんです!中学卒業したら、働いて育てます!

と言ったけど、ダメだった。

その後、うちの両親に怒られて、先生に怒られて、友達からもひやかされて…。

真由美は学校に来なくなってしまったし、俺はひとりぼっちになった。

中絶するからってことで、やっと1度だけ真由美と会うことができたんだけど、一言もしゃべってくれなかった。

なぁ、育てようよ。俺たちの子供だよ?一生懸命働くからさ。殺しちゃうなんてかわいそうじゃん。

いくら言っても、真由美の耳には届いていないようだった。ずっと泣いてた。

なぁ、どうしたら俺たちの子供生むことができる?

俺、真由美のこと本気で愛してるんだよ。

なぁ?

なんとか言ってよ。

俺が中学生だから?

稼ぎがないから?

なんで?

なんとか言ってよ。

愛してるんだよ!

途中から、泣いてわけがわからなくなったのは俺の方だった。

真由美のお父さんから、もう真由美には会わないでくれと言われた。

嫌です、会いたいです、ずっと一緒にいたいです。

と言ったけど、ダメで、もう会わないでくれと言われるだけだった。

じゃあ、どれくらい経ったら会ってもいいですか?

ダメ元で聞いたら、お父さんは重い口を開いてくれた。

「そうだな、20年経ったら、もうそのときは会ってもいいだろう」

あの日から、20年と13ヶ月が過ぎた。

さっき俺は、真由美と一緒に婚姻届を出してきた。

すごく遠回りをした気がする。

20年待って、やっと会えて、それでやっと結婚することができた。

でもまだ子供はいない。

できるかはわからないけど、これからまた真由美と一緒に、そして真由美と俺の子供と一緒に、生きていくことを決めて、今日結婚したんだ。

早く、空から女の子が降ってくるといいな。

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