2008-11-24

放り出す

まず小中学校には「退学」や「停学」という制度自体が無い(学校教育法施行規則第26条第3項:義務教育における懲戒退学の禁止、同4項:学齢生徒への停学の禁止)だから何をしても学校は「放り出し」たりしないしできない。

高校における停学は、停学にあたる行為をした、という事実認識させ、出席できることが当たり前のことでないことを今一度思い起こさせるための「処分」である。二度と復活が無いというものでない以上、学校は生徒を「放り出し」ているわけではないし、むしろ再び抱え込むために指導している。(ちなみに「停学」が「懲戒」として行われることは、まず無い。なぜなら正式の懲戒として停学を行うとそれは生徒の履歴として残さなくてはならないし教育委員会にも報告とかしないといけないので厄介。なので、あくまでも自主的な「謹慎」「出席停止」という形を取るのが普通。)

それから、親には養育『義務』があるけど、学校に課せられる『義務』とは『(望む者に、教育を受けられる)機会を与える義務』であって、自ら拒否する人間に無理矢理機会を与えるというのは基本的にサービス部分に過ぎない。馬を水飲み場に連れて行っても、無理矢理水を飲ませることはできない。学校工場ではない。右から原料(児童)を入れれば左から製品卒業生)が出てくるような装置ではないし出す義務が学校にあるわけではない。

さらに、普通に選択される多くの公立学校教育セーフティネットではない。小中学校に関しては退学という制度自体が無いから、極論言えば一日も通わなくても教師が出張してきたりして形だけ無理矢理「卒業」させるが、高校に関しては私立という選択肢もあるし中退者向けの私立単位制高校フリースクールなどもある。大学へ進みたい人向けには、高認(旧大検)がありその予備校がある。現在、多くの場合通信制定時制高等学校がその受け皿になっているが、都市部では大抵キャパシティを超えかけているし、そもそも本来それは受け皿のための課程ではない。

個人的には、一度公教育を自ら「放り出し」た人間であっても、望めば再度公教育が受けられるように門戸を広くすべきだと考える(たとえば中学校不登校になったのに「卒業」させられた生徒が、望めば再度公立中学校に通えるように。)が、許容量や指導上の問題、対応の難しさ(18歳以上が通学する場合喫煙を許可すべきか?、学生を狙った犯罪を企図する大人を排除できるか?、一般の大人に対して『校則』を適用することの問題、など)からほとんど実現していない。

http://anond.hatelabo.jp/20081124062919

記事への反応 -
  • そういやここで「体罰は許されることではない」と主張している人たちは出席停止や留年などについての処分についてはどうおもっているんだろうか。 体罰はダメ、対話による説得をし...

    • http://anond.hatelabo.jp/20081123132129 それはただの放り投げです。 家庭で行えるしつけは家庭ですればいい、それは正しいと思います。 じゃあ、正しくしつけをしてくれる家庭がない子供はど...

      • まず小中学校には「退学」や「停学」という制度自体が無い(学校教育法施行規則第26条第3項:義務教育における懲戒退学の禁止、同4項:学齢生徒への停学の禁止)だから何をしても...

      • 出席停止は放り投げだからといって体罰を容認して言い訳じゃない。 親にしつけられない子供は教員が虐待して言いといってるようなもの。

    • 出席停止や警察のほうが合法なんだからマシな方法と思うが。体罰容認派はまず合法化を目指すのが筋。普通の教員に指導困難なのは少年院という専門施設があるのに自分たちで抱え込も...

    • となると現実的な対処法は警察に出張ってもらうか出席停止などの処分を下すしかないと思うんだが。 それ以上正しい対処法が他にあろうか。 DQNを出席させてては、その他の生徒は迷...

    • http://anond.hatelabo.jp/20081123132129 予想以上に反応があってびっくり。 反応してくれた人の考えをまとめると出席停止処分や留年に対して肯定的な考えを持っている人が多い、ということみ...

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