■マルチに親友を奪われた悲しみ

昨日、anond:20080914172702　これを書いた増田です。

化粧品のマルチにはまってしまった親友に頼まれて、

一番安い石鹸(それでも何千円もする)を買うことにしました。

これもつきあいだと割り切って…今回だけ。

今日、会って石鹸の使い方や説明を受けたのですが、それが、

はっきり言ってめちゃくちゃです。

マイナス電子を発する石鹸で、泡をのせていたら肩こりや病気が治る、

悪いところがあると、そこだけ泡がすぐ消える、等等、

非科学的な説明ばかり。もういいわとお金を払って帰ろうとすると、

ちゃんと使って感触をわかってもらいたい、どんなに素晴らしい商品か

納得して使って欲しい、そうでなければ意味がないと凄い剣幕で言い出し、

この石鹸で簡単にできるデモをすることに。

泡立てネットで石鹸をホイップクリーム状に泡立てて、

片手の甲のうえにのせ、もう片手はそのままにしておいて、

五分待ちます。五分立ったら、洗い流す。

すると、石鹸がのっていたほうの手の甲が白く見えます！

両手を比べてみると、確かに全然ちがって見えます。

親友は、これでこの石鹸が普通とは違うということがわかる、

マイナス電子が肌に入り込んで、作用したから白くなめらかになったのだ、

というような説明をしていましたが、私は、最初こそ少し驚いたものの、

すぐに「これは、長いこと水を含んだ泡をつけていたので、

たんに「ふやけて白くなっているだけ」なんじゃないかと思いました。

でも、もう親友は、その石鹸で歯磨きや洗髪もしているというし、

肌のニキビ跡のみならず、病気まで治ると信じ込んでいるので、

そんなことは言える雰囲気ではありませんでした。

それからも長々と、その化粧品の非科学的な効用を並べ立てる親友の

キラキラした瞳を見ながら、ものすごく悲しくなってしまいました。

帰宅してから、私は今使っている普通の市販石鹸を同じように泡立て、

今度は反対側の手の甲を使って、同じ実験をしてみました。

五分たって洗い流すと、やっぱり同じようにその手の甲が白く見えます。

そして、乾燥するにしたがって、どちらも見分けがつかなくなります。

わかっていたことですが、べつに石鹸の良し悪しではないんです。

恐らく、石鹸のせいでもなく、普通の水道水に濡らしたタオルでも

結果は同じなんじゃないかと思っています。

でも、こんなことをあの洗脳されきった親友に言ってみても、

もう聞く耳は持ってないでしょう。

それに、この世界である程度儲けているので、いまさら職を変われないとも

思います。借金もあるようですし、なにより、本人が心底、信じ切っています。

こんなうさんくさい商品、怪しげなセミナー、まるで新興宗教みたいな組織が、

もう自分の拠り所になってしまっているので、私が説得しても無理でしょう。

ネットでもちらほら批判されているのに、それを言っても、

「商売敵が嫉妬してるだけ」だと解釈されてしまいます。

学生時代はあんなかたくなで排他的なところはなかったのに、

今では自分の売っている商品を少しでも批判されるととたんに攻撃的になります。

プライドをもってやっている、人のためになることをやっている、

この仕事で自分もお客さんも幸せになるんだと信じ切っています。

私はお客さんになるつもりはありませんが、今、不幸な気持ちでいっぱいです。

この仕事に触れないようにつきあっていけば、今までどおりの親友で

いられるでしょうか。きっと無理だと思います。

私の親友は変わってしまいました。

それをどうすることもできない自分が悲しい。

Permalink | 記事への反応(1) | 21:27

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