2007-11-26

著作権侵害は権利者の訴えがなくても違法

著作権侵害は著作権者が訴えなければ違法でないという誤解を書いた人だけども、強姦を使わない説明を考えてみた。

はじめにタイトルを覆すが、著作権侵害は訴えがなくても違法だし、訴えがなければ違法でないというのも実はどちらも正しい。だからコピーライト側の法律家は無断アップロードなどは違法だというし、コピーレフト側の法律家は無断アップロードは訴えがない限り違法でないというかもしくは素人の間違いを訂正しないのだ。現状はそれに素人が巻き込まれているといえる。そういうものはおいておくとして、そもそもどうやって違法、すなわち犯罪となるのだろうか?例えば万引きについて考えてみよう。AさんがBさん経営の小売店から商品を盗んだとしよう。それは違法だろうか?実は違法ともいえるし、違法でないともいえる。法律から見れば違法である。Aさんの行為は窃盗であり違法である。しかし違法ではないともいえる。違法と判断するのは裁判所だからである。無罪の推定が働くので、正規の手続きをし裁判所が違法で判断するまでは違法ではない。従って盗んだというだけでは違法だということはできない。見方を変えれば違法ともいえるし、違法でないともいえる。著作権侵害は訴えがなくても違法だし、訴えがなければ違法でないという話もこれと同じである。アニメネットに無断でアップロードしたら、きちんと法律を解釈すれば違法だ。ネットアップロードするためには著作権上権利者の同意が必要である。無断でアップロードしたということは権利者の同意を得ていないということなので法律をきちんと解釈すれば違法だ。権利者の告訴はこの違法であるかどうかの判断にはまったく関係がない。告訴があろうがなかろうが違法だ。しかしこの法律の解釈によってすぐに違法となるわけではない。無罪の推定が働くので、きちんとした手続きによって裁判所が判断するまでは違法=犯罪ではない。親告罪というのはこの手続き面で初めて意味を持つ。親告罪というのはこの手続きの開始に権利者の告訴が必要という話なのである。従って権利者が訴えない限り手続きを開始することができないし、その結果訴えがない限り無断アップロードを違法とすることもできない。「著作権侵害は訴えがなくても違法」という考えも、「訴えがなければ違法でない」という考えもどちらも正しい。見方の問題だ。だからさきに記したようにコピーライト側の専門家法律の解釈から無断アップロードなどは違法だというし、コピーレフト側の専門家裁判所が判断するまでは違法でないと考え無断アップロードは訴えがない限り違法でないというのである。両者は自分に都合のいい見方を採用するのだ。しかしコピーレフト専門家にしても、著作権テストで「テレビ番組を権利者に無断でネットアップロードする行為は著作権を侵害するか」といわれたら、イエスと答える。なぜなら著作権テストでも刑法テストでも通常手続きまでは考えないからだ。手続きを抜きにすればコピーレフト専門家も無断でアップロードしている以上、著作権侵害は訴えがなくても違法だとしなければならない。逆にコピーライト側の専門家にしても手続きを含めて考えたら、無罪の推定がなされるので訴えがなければ違法ではないといわざるをえない。著作権侵害は訴えがなくても違法だし、訴えがなければ違法でないというのはある意味どちらも正しいのである。

著作権侵害は訴えがなくても違法だし、訴えがなければ違法でないのであるならどうでもいいではというかもしれない。しかし著作権侵害は訴えがなければ違法ではないという人は現実には上記の話を理解していない人が多い。例えば

http://d.hatena.ne.jp/ch1248/20071125/p1

とか。手続き面を含めて違法ではないというのではなく、法律の解釈でも違法にならないと勘違いしているように見える。何度もいうが親告罪であっても違法の判断に告訴の有無は関係ない。法律の解釈では著作権侵害は訴えがなくても違法だ。法律の解釈でも違法にならない勘違いした人たちは著作権侵害の非親告罪化なんかで変な主張をする。例えば非親告罪化されると権利者の意思関係なく違法にできるとか。そういうことについてはめんどくさいのでここでは触れないが、法律の解釈では著作権侵害は訴えがなくても違法で、手続きを考えれば訴えがない限り違法とはすることができないだけというのはきちんと広まってほしいものです。

しかしこの話を理解するのには強姦がやっぱり手っ取り早いと思うんだがな。前は

強姦罪親告罪だが、被害者精神的な面から訴えないことも多い。でも訴えられなかったからといって加害者犯罪を犯していないとはいえない著作権侵害も同じ。権利者の訴えがなくても違法。権利者の訴えがなければ犯罪でないというのであれば、強姦の加害者被害者に訴えられない限り犯罪でないといっているのと同じ。
みたいに説明していた。そうしたら強姦と著作権侵害を一緒にするなといわれた。でも著作権侵害は訴えられない限り犯罪でないというのは、本当に訴えられない強姦は犯罪でないといっているのと同じ。両方とも法律の解釈上犯罪だが、裁判所に訴えて手続きを踏むまできちんと犯罪とすることができないということをいってるのだから。

でもやはり著作権侵害は権利者の訴えがなくても違法。ある行為が違法かどうか聞かれたら、普通手続き面までは考えない。行列のできる相談所でも手続き面なんて考慮してないでしょ。訴えられたときに違法と判断されるか考えている。それと同じように考えれば、親告罪であっても著作権侵害は権利者の訴えがなくても違法。それに著作権侵害は権利者の訴えがなえられなければ違法ではないって言ってるようなもんだし。このロジックなら万引きだって訴えられなければ犯罪ではなくなる。普通に考えれば訴えがなくても違法なのですよ。親告罪は手続き面のお話であって、違法かどうかの判断にはまったく関係がない。権利者の訴えがないからといって違法性がなくなるわけじゃない。その辺がわからないから非親告罪化の議論が変になる。

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